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顧客は聞きたいことだけを聞く

安保法改正によって、戦争が起きることを危惧する人々の声がネットでもどこでも多いに高まり、世の中は戦争反対という声を高らかに上げている。それはネットだけでなく雑誌でも新聞でもテレビでもありとあらゆる媒体でも同じである。そして、今まで読んだこともないような雑誌の見出しを見て雑誌を購入する人もいる。そして、今まで知らなかったような人の文章をシェアしたりする。なかにはエロ系の雑誌にも関わらずシェアする女性さえいる。いつもなら絶対見向きもしないような雑誌、いつもは嫌悪感さえ感じるような雑誌の記事をシェアする人がいる。

なぜ人々は安保法改正に限っては今まで知りもしない人の書き込みをシェアするようになるのか。なぜ人々は今まで全く興味もなかった雑誌の記事を読むようになるのか?単に縁がないということではなくいつもは嫌悪感さえ感じる雑誌の記事でさえシェアするのはなぜか?これは単純に戦争反対という強い気持ちがそうさせているという単純なことではないと私は思っている。今回はこのことについて書いてみたいと思う。そして、それがマーケティングにどう活用できるのかについても考えてみたい。

人々は聞きたいことだけを聞くものである。
いつもは全く興味のない雑誌でも興味のあるものであれば読む。いつもは嫌悪感さえする雑誌でも自分の関心のあるものであればシェアをする。私はここに人々が聞きたいことだけを聞き、信じたいものしか信じないという特性を感じずにはいられないし、その特性がとてもよく出ているのが安保法改正に関しての人々の反応であると考えている。

人は常に誰かに認めてもらいたい。人は常に自分を肯定して欲しいのである。自分は間違っていない。正しいと感じたいのである。
安保法改正というもしかしたら自分も戦争に行くかもしれない、自分の知人や大切な人が戦争に行かなければならないかもしれないという、そんな漠然とした不安の中でほとんどの人は「戦争反対」である。しかし、それは単なる自分の感情の中の話であり、頭で考えているわけじゃない。あくまで感覚的なことである。しかし、人々の多くはなぜそう思うのかを説明することが出来ないし、表現することが上手くない。

人間にとって自分の感情を表現出来ないということは苦しいことであり、ストレスを感じることである。なぜなら、人は誰かと何かを共有することで幸せを感じる生き物だからである。だから、人はその感情を誰かと共有しようとする。自分は間違っていない。この感情は普通であり、みんなそう思っているんだという安心感を得ようとする。

そして、人は戦争反対という記事に飛びつくのである。そして、さらに非常に説得力のある説明に共感を得ようとする。私が感じていたことはまさにこのことであるというのである。そうやって多くの記事が消費されていくのである。この際、媒体が何であろうと関係がないのだ。誰かも分からない人の文章でも自分の感情に共感するものであれば何でもいいのだ。例え、嫌悪感すら覚える雑誌でも自分の感情と共鳴するものであればシェアもするのである。

マーケティングは、人の感情に逆らってはいけない。
マーケティングは、感情を変えることは出来ない。マーケティングは人々に寄り添って行きたい方向に行かせてやるものである。人が行きたい方向に導いてやることがマーケティングである。もし、安保法改正反対のマーケターがいるのだとすればそれら多くの国民が持つ気持ちを代弁するような企画を立てる必要がある。単に安保法改正に反対というのでなく人々の気持ちに寄り添うのである。こう考えるのがマーケターである。

決して、人々の感情に逆らってはいけない。人々の考えを変えようなんて絶対に考えてはいけないのである。マーケティングは人々が表現したいように表現させてやることであり、やりたいようにやらせてやることなのである。

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