まず最初にターゲットを決めるマーケターがいるときがある。私からすればそれは大きな間違いである。誰に売るのかというのは確かに大切ではある。しかし、そのターゲットとなる対象が十分に満足できるような商品サービスを提供できるのかという事とは別問題である。どんなに魅力的なターゲットが目の前にいたとしてもそれらの人たちを満足させリピートさせることが出来るような商品サービスがなければそのターゲットを狙う事の意味がない。やはり最初にマーケティングを考えるときやるべきことは当社が自分が何が出来るのか、そしてその範囲内で何をしたいのかという事である。それなしにはターゲット設定に進むことは出来ない。たとえターゲットを決めてから自社の能力を検討したところで結局は自社の能力の範囲でしか出来ないことが判明し、自社の能力の範囲内での検討になることは分かり切っている。それよりも、違うターゲット層の方があなたの会社の商品を受け入れてくれるかもしれないのだ。
もし、あなたの会社でどこにも満足させるターゲットがいないという結論に達するのであればあなたの会社はこの世界で必要されていないという証拠である。もしくは、あなたの商品の別の使い方やターゲットを見つけ出せていないだけかもしれない。
全ての人間には決して同じ人間はいない。絶対に性格が違う。しかし、同じような世界観を持つ人たちは十分な集団として存在する。多くの企業は、自社の製品サービスはこんな人たちが使うだろうという先入観がある。確かにそうだ。それももちろんあるだろう。しかし、本当にそれだけだろうか。違う使い方はないだろうか。違うメリットを生み出すこともあるのではないだろうか。
それを見つけるためには、やはり商品サービスを売る人間の心が広くなくてはならない。狭い世界で生きている人間は応用がきかないし、違う観点から物事を見ることが出来ない。だからこそ、行きずまる。是非、色んな人の話を聞いてほしい。そして、それを真剣に検討して欲しい。それを出来るのは広い心の持ち主でしかない。狭い心を持っていては沢山の話を聞いても見向きもせずひたすら自分の世界で仕事をすることになる。
今、世界は激しく動いている。そんな中でひたすら自分を持つことは絶対に必要な事である。しかし、それだけでは足りない。周りを見て今、当社の製品・サービスがどのような位置にいるのかという事を認識した上でなければ何の意味もないのだ。