マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

「戦略的ステップ」で顧客育成(ナーチャリング)する方法

マーケティングにやっと取り組む企業が増えてきているが、成果を出せている企業は殆どない。その原因は、顧客を理解する方法を知らないからに他ならないと私は考えている。この記事では、顧客を理解するために、顧客のストーリーを把握して、自社にとって優良顧客へと育成していくための「戦略的ステップ」について書きたいと思う。

 

顧客は常に自分のストーリーを持っている

よくターゲットとする顧客が自社製品サービスにとてもネガティブな考え方を持っていることがある。「この類の製品サービスは色々問題があってなかなか上手くいかないと聞いている。だから、今は導入は検討していない。」と、こんな感じである。こんなことを言う顧客に対して一生懸命自社製品サービスの特徴やメリットを言っても無駄である。この顧客の中には、自社製品サービスに対するストーリーが出来上がってしまっているからだ。一度、何らかのストーリーが出来上がってしまうと顧客を変えることは難しくなる。

しかし、マーケターは、こんな顧客が信じているストーリーを変えなければならない。そうしなければ、自社製品は決して売れることはないのだから。マーケターの最初の仕事は、顧客がどんなストーリーを信じているのかを理解することである。そして、顧客が信じているストーリーをたくさん考えた上で、その中でも自社製品に対してネガティブに影響しているストーリーを見つけ出す。そして、そのストーリーを変えることを考えなければならない。

 

顧客の考えが変わらないのは、常に自分の考えを強化しているから

人が行動を変える時はどんな時だろうか?決定的なデータを突き付けられた時だろうか?尊敬する人が違うことを言い始めた時だろうか?でも、いつも変わらないのは、人の行動を変えるのはそんなには簡単ではないということだ。顧客は、自身が信じているストーリーを裏付けるための根拠をいつも探し歩き、自分のストーリーが正しいことを証明しようとする。ネット上で自分のストーリーを強化する記事があればブックマークするし、共有する。逆に、自分のストーリーを否定する記事は読んでもあまり関心を持たないようにする。自分のストーリーを否定されることを恐れるからだ。

だから、多くの人がその信じているストーリーは間違っているといくら言っても、顧客はそれを無視して自分のストーリーを強化する記事や話ばかりを聞く。どんなにデータを提示してもそれが本当に正しいのか?と疑う。最近流行りのコンテンツマーケティングでどんなに正しいことをデータをもとに提示したとしても、顧客は自分のストーリーを否定するコンテンツをスルーする。どんなに正しいコンテンツを掲載しても意味はない。大きな影響を与えることはできない。真正面から否定することは何の意味もないのだ。

 

まずは、話を聞いてもらう状態を作る

マーケターがすべきことは、まずは顧客に寄り添うことである。それはつまり、その顧客が信じているストーリーを肯定することである。まず最初にそれをしなければあなたの話は聞いてくれない。まずはともあれ、顧客が話を聞いてくれる状態を作り出すことである。そのためには、顧客のストーリーを強化するようなものをこちら側も提供しなければならない。顧客が「あなたのことを同じ意見を持つ人間だ、話が分かる人間だ」と知らせなければこちらを振り向てもくれない。まず、そこがスタートである。

 

自社のストーリーと共鳴するものを顧客の中に見つける

そして、どうするのか?まずは、顧客が持つストーリーの中に自社製品サービスのストーリーを信じたい人がいるかどうかを調べることである。顧客は色々なストーリーを抱えている。「約束を守る人間は素晴らしい」という多くの人が持つストーリーもあるだろうし、ある業界に対するネガティブなストーリー(例えば、「MAは効果がない」というストーリー)のようなごく一部の人だけが持つストーリーもある。マーケターがやるべきことは、ターゲットとする顧客がどのようなストーリーを持っているのかリストにすることである。リスト化することで、自社製品サービスのストーリーと共鳴するものを見つけるのである。

例えば、MAに関して抱くストーリーは大部分がこんな感じである。「競合他社が始めた。遅れてはならない。こんな使い方を当社もやってみようじゃないか!MAを導入すれば売上が上がるはずだ」というストーリーである。しかし、私が持っているMAのストーリーは、「ます最初にマーケティング戦略があり、その戦略を実現させるためにMAがある」というストーリーである。だから、私がどんなにマーケティング戦略→MAという順番を訴えても多くの会社は振り向いてはくれない。スルーされるだけである。多くの顧客が信じているストーリーと違うからだ。だから、MAに関する大きな流れがある時にどんなに頑張ってもあまり大きな効果は期待できない。そのようなときは、熱が冷めるのを待つか、自分たちのストーリーを信じてくれそうな人たちに限定してマーケティングするか、もしくは、もっと多くの人が共通して持っているストーリーと私のストーリーを重ね合わせることである。今回は多くの人が共通して持つストーリーの話を進めたい。

例えばである。MAに対するストーリーは様々であるが、ほとんどの企業が共通して持っているストーリーとして、「ツールが売り上げを上げるわけじゃないというストーリー」があると考えている。ほとんどの企業はもはや何らかのツールを入れて実践した経験がある。その中でほとんどの企業が感じるのが、売上はツールを使う人間の能力によってその効果は全く異なるということである。素晴らしいことが出来るツールでもそのツールを使いこなせなければ何の意味もないことをMAを導入しようとしている企業は知っている。しかし、多くの企業ではそのことを忘れ、先ほどのようなストーリーを日々強化している。だから、ツールがすべてではないというストーリーを語る必要がある。彼らの中にあるもう一つのストーリーを呼び起こし共鳴させることで考えを変えていくのである。決して否定することから始めるのではなく、顧客が持つストーリーを語りながら、自社製品サービスの持つストーリーへと持っていくのである。例えば、こんな物語だ。

 

私たちは車によって豊かになったのだろうか?そうではないはずである。車でどこかに行って、新しい世界を感じることで心が豊かになり、新しい経験を今までにないスピードで得ることで豊かになったのである。車で同じところぐるぐる回っていては何の変化もない。豊かになった原動力は、人間の想像力と勇気と冒険心なのであって車ではない。飛行機によって豊かになったのではない。飛行機に乗ってどこか遠いところにいって世界の広さを感じることで豊かになったのである。創造性も勇気も冒険心もない人が飛行機を手に入れても何の変化もない。

ワードエクセルパワーポイントを得たことで新しい価値を生み出せるようになったのではない。その人が持つ創造性と表現力と知恵と頭脳があったからこそ新しい価値を生み出すことが出来るようになったのである。決してツールではない。CRMシステムが顧客満足を高めたのではない。顧客がどんな人なのか?どんなコンテンツを必要としているのか?を知ろうとする努力と、顧客を満足させたいという強い気持ちが顧客満足を高めたのであって、CRMではない。CRMはその強い気持ちを表現するための手伝いをしただけである。CRMがない時代でも顧客満足を高めることが出来ていたことを知らなければならない。顧客を満足させるのは人間の顧客への思いとそれを実現するための想像力によってもたらされているのである。

MAによって優良見込客を育成することが出来るわけじゃない。MAを導入すればナーチャリングが出来るわけじゃない。意味のあるスコアリングが出来るわけじゃない。抽出も出来ない。結局は使う人間が顧客を知りたいと強く思っているかどうか、そして、その実現のための想像力があるかどうかである。これはすぐに出来ることじゃない。ある日突然、「顧客を満足させよ」と言われて出来ないように。今まで出来なかったのであれば、それは明日もあまり変わらない。ツールを導入してもよくはならない。これまで真剣にマーケティングをしたことがないのであれば、それはすぐにマーケティングが出来ないということだ。つまり、MAを活用できないということである。

ビジネスにおいて、これまで多くの想像力が多くの課題を解決してきた。想像力がどの会社にも必要であることを私たちは知っている。ツールを導入するだけで、たったそれだけで課題が解決することなんて今までに一つもない。人間の想像力があってこそなのである。

こんな感じである。誰もが共感出来て共鳴出来るストーリー。誰もが気づかないうちに信じているストーリー。そのようなストーリーを使うことで、今まで信じていたストーリーが弱くなり、新しく語られたストーリーが強くなる。考え方が変わっていくのである。

 

「戦略的ステップ」を考える

ここでのポイントは決して顧客を否定しないことである。必ずあなたの考えは正しいというスタンスを取ることである。最初に誰もが同意することから始め、次のステップでまた違うことに同意してもらう。そして、最後にその流れで自社のMAに関するストーリーに同意してもらう。このような流れが必ずなければ人の意見を変えることは難しい。人は自分を否定する人の話は聞かない。しかし、自分を肯定する人のいうことは聞く。自社がターゲット顧客を肯定する企業であることを伝え、いくつかのことに同意してもらうことで自社製品サービスが持つストーリーに同意してもらうまでの「戦略的なステップ」を構築していくのである。

自社のストーリーと今顧客が持つストーリーをどのようなステップで埋めていくことが出来るのか?それを考えるのが「戦略的ステップ」である。今回の例では、最初のステップとして、ツールが課題を解決するわけじゃないということに同意してもらった。次に同意してもらうべきことは何だろうか?このステップに同意してもらった顧客はどんなストーリーを持つことになるだろうか?もしかすると、その想像力で課題を解決してきたという実績なのかもしれない。それらストーリーを考え、どのようなコミュニケーションをして、次のステップへ進んでもらうのか?それを考えるのが「戦略的ステップ」であり、顧客育成であり、ナーチャリングである。メールを送ればいいのではない。単に役に立つコンテンツを提供すればいいのではない。その優良顧客までのステップを十分に考える必要があるのである。

 

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