マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

マーケティング戦略の「必要条件」と「十分条件」

マーケティングの重要性が評価されるようになり、マーケティング戦略立案に携わる人が増えてきている。しかし、多くの場合、マーケティングってそもそも何?という状態であったり、「戦略って何?」という疑問を解決できないままに取り組んでいるのが現状ではないだろうか。

マーケティングとは何か?という疑問については、他にも多くの記事があるし、このブログでも紹介しているので今回は扱わない。しかし、「戦略」については難しそうに感じるのか分からないが正しく理解しないままにしている人が比較的多いように感じる。マーケティング戦略という言葉にあるようにマーケティング戦略は、戦略の一部である。そのため、「戦略とは何か?」を知ることはマーケティング戦略を考える上で、基礎となるものであり、マーケティングを考える人にとって戦略とは何かを知っておくことは重要である。

そのため、この記事では、そもそも「戦略とは何か?」「何をもって戦略と言えるのか?」について定義しておきたいと思う。今一度、立案した戦略がそもそも戦略になっているのかを下記の「必要条件」と「十分条件」に照らし合わせて確認して欲しい。

戦略とは「競合優位性を活用して、定められた目的を継続的に達成し得る整合的な施策群のまとまり」である。正確に言えばこの定義は、良い戦略とは何か?という質問への答えである。ここでは、悪い戦略の条件を伝えてもしょうがないので、良い戦略の条件「3つの必要条件」と「3つの十分条件」について記述していくことにする。あなたの戦略と照らし合わせてながら読んでみて欲しい。

■3つの「必要条件」

【1】目的は明確か?
戦略を策定するに当たって、何を達成するための戦略なのか、という目的が明確に示されている必要がある。ここで重要なポイントは曖昧な目的ではなく「売上を10億円増加させ、利益を5億円増加させる」など定量的な目的でなければならない。その理由は、既に言い古されているように、目的とする指標の大きさによって採用すべき戦略の内容が全く異なるからである。数百万の売上増であれば、広告宣伝の改善だけで十分かもしれないが、100億円の売上の増加となると会社組織の変革も必要となる可能性があるからだ。目的によって戦略は大きく変わってくるのだから、戦略において明確な目的設定は非常に重要なのである。

【2】誰がどんな施策をするのか?
戦略は、実行する組織や人員の実際の行動に結びつく具体的な施策として示されている必要がある。つまり、戦略によって、誰がどのようなスケジュールで、どのような施策をとるのかという具体的な施策に結びついていなければならない。例えば、「新しい顧客を取り込んでシェアを5%増加させる」では具体的な行動に繋がらないが、「どのようなニーズを持つ顧客を狙い、どのような新商品を投入するとともに営業のやり方も変えることで5%増加させる」であれば、誰がどんな施策をする必要があるのかが見えてくる。あなたの戦略には、どの部署がどのようなことをするべきなのかについて定義されているだろうか?

【3】競合を意識しているか?
競合を意識しない戦略はあり得ない。もし、本当に競合がなく、無限に資産を使えるのであれば戦略は必要がない。しかし、実際には、限られた予算で、かつ市場を奪い合う競合が存在する。戦略とは、そのような環境の中で、自社の強みと弱み、他社の強みと弱みを予測・計算して最適な施策を実施するものある。どんなに社内的に最適な施策でも、競合と比較すると最適な施策でなくなることは良くあることである。

■3つの「十分条件」:より大きな効果をもたらすために

上記の3つの必要条件は、いわば戦略の体をなしているかどうかの確認事項である。次に述べる3つの「十分条件」は、その戦略によって大きな効果をもたらすため条件である。

【1】施策ごとの整合性はあるか?
各施策が戦略の狙いやポリシーによって整合性よくまとまった状態である必要がある。各施策が戦略の目的に合致したものであっても、施策の性質がバラバラであったり、同時には成立しえないものであれば戦略は有効に機能しない。例えば、「収益性の改善」の目的のために、生産部門が材質の質を下げることでコストダウンを図る施策を実行する一方で、営業部門が大きな単価を獲得するために高級顧客を獲得する施策を実行していては効果的な戦略とはならない。そのため、大きな効果をもたらすためには、「販売数量を大幅に増加させることで収益性を改善する」のか「単価の収益性を改善させるためにターゲットを変える」のかという、戦略の基本ポリシーを統一し、それに基づいて個別の施策を整合させていかなければならない。

【2】優位性を発揮しているか?
戦略が自社の強み、競合に対して有利な点を最大限に活用したものであれば、その戦略の有効性は大幅に高まる。競合には真似のできない要素が含まれていれば、構造的競合優位性を構築することが出来る。これは、自社の強みにフォーカスしろというわけではない。自社の弱みを強みに転化させるという発想も可能だ。例えば、過去にミノルタが自動焦点一眼レフカメラを出せたのは、シェアが低く、カメラとレンズの互換性を強く意識しないで済んだことが大きい。キャノンなどシェアの高い企業にとって互換性は非常に重要な要素であるため、互換性を無視した製品を導入することは当時困難だったことを突いた戦略である。

【3】戦略に持続性はあるか?
戦略の目的の達成が持続的に実現するのでなければ良い戦略とは言えない。持続的でない戦略を実行してしまうことは貴重な経営資源を無駄にしてしまうことにつながるからだ。この事例はかなり昔の話だが、写真用フィルムのシェアで出遅れたサクラは、「従来20枚撮りであった商品を24枚撮りに増量し、価格は据え置く」という戦略に出た。この戦略の結果、一時的にシェアは増加したものの、シェアトップの「富士フィルム」がすぐに20枚撮りから24枚撮りを導入したことで効果はあっという間になくなり、以前のシェアに戻ってしまった。ある意味値引き戦略であるが、値引き戦略であればシェアの大きい企業の方が圧倒的に有利なわけだから、サクラの戦略は、自社の強みと弱みを把握していなかったことと、戦略の持続性についての評価を怠ったことが失敗の大きな原因となっている。

いかがだっただろうか?あなたの戦略は「戦略のようなもの」になっていなかっただろうか?上記の合計6つのポイントをチャックし、効果の出る戦略を立案実行して頂ければ幸いである。

参考文献:戦略策定概論-企業戦略立案の理論と実際

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