ストーリーテリングの観点から見る日本企業

マーケティング

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あなたの会社は、ストーリーを語ることが出来ているだろうか。ストーリーテリングとか言われているマーケティング手法であるが、これは今後の時代は本当に重要な要素の一つになって来ると私も考えている。というのも、これからの時代は商品で差別化なんて出来やしないからだ。今の時代は昔の時代に比べてものづくりは簡単になってきている。あくまでも昔と比較すればという事だ。実際、韓国のサムスンや中国のハイアールなどは日本企業と品質的には遜色ない製品を出している。日本製品と中国製品と韓国製品には大きな違いはないのだ。だから、今の日本は苦しい。品質だけで勝負してきた日本にとって製品の品質で勝負できなくなったからだ。それが日本製品が苦戦する最大の原因だと私は思っている。

そこで今注目されているのがストーリーテリングである。つまりは物語を語ることである。人々は自分自身の物語を語っているというところからこのストーリーテリングはスタートする。例えば、あるワイングラスを製造する企業があったとする。その企業が当社のグラスで飲めばワインはさらにおいしくなるという物語を語る。すると、多くの人々が全くの根拠のないこの物語に取りつかれ何の科学的根拠もない、しかも、目隠しした実験によれば100円のコップと全くワインは同じであることが証明されているにも関わらず人々はそのグラスでワインを飲むことがステータスになっている。これはなぜだろうか?それは、人々が自分自身に語りつくしている物語と同じだからである。つまりは、人々は100円のコップで飲むワインよりも数万円もするグラスで飲むワインの方がおいしくなると思いたいのだ。それは人々が高いものはよいものでありそんな高いグラスであえて飲む自分自身がワインへの敬意を表しているものであり、そんな自分自身が好きだからなのだ。もし、このグラス会社が全く材質デザイン共に同じ製品をワインがおいしくなるグラスとしてではなく、普通のグラスということで販売したらこうにはならなかった。グラスは大きな差はない。どんなグラスでもそうだ。しかし、その製品に対して人々が共感できるような物語を語ったとたんにその製品は他社製品とは全く違うものになり、全く原価は同じなのに一方は数万円で販売できて、一方は数百円でしか販売できないという差が出来るのである。

日本人は職人だと言われる。しかし、それはその職人技によって差が出来る製品を創り出すことが出来ることを前提としている。現代においてどんな職人でも大きなその差を生み出すことは難しくなってきている。それだけの技術進歩がある時代に突入しているのだ。おそらく20世紀はその製品により差別化することが最も重要な時代であった。しかし、この21世紀は物語を語れるかどうかが最大の差別化になることは間違いないのだ。日本企業はいつまで薄さにこだわるのだろうか。いつまで映像の美しさにこだわるのだろうか。いつまで安さにこだわるのだろうか。いつまで壊れにくいことにこだわるのだろうか。人々は全くそんなことには興味はないのに、いつまでこだわるのだろうか。その製品に魂をその魂を生み出した物語を語ることが必要とされているのだ。