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今のマーケティングには「顧客への刺激」が足りない。

マーケティングにおいて、顧客を知ることは大切である。しかし、多くの企業が顧客に話を聞いたり、データ分析をしているが、顧客を知るスピードという側面においてあまり効率的ではない。今の顧客がどう感じているのか?を聞く行為は非常に消極的で受け身だからだ。マーケティングに限らず、何かを知ろうとするとき、最も効果的なのは、「こちらから働きかけること」である。

例えば、あなたがある人のことを知ろうと思った時、その人の行為を観察するのと、その人に話しかけ話をするのとでは、どちらがその人のことを知ることが出来るだろうか?もちろん、観察することで知れることもあるだろうが、その人と会話のキャッチボールを頻繁に繰り返した方がよっぽど多くのことを知れることは間違いない。どんなに観察しても、その人が過去にどんな経験をしたのかなどは、話さなければ絶対に分からない。観察するだけでは、一つ一つの言動から推測することは出来ても中々その人の核心までは到達するにはあまりにも効率が悪い。

また、積極的に動いた方が知ろうとする行為を継続しやすい傾向もある。なぜなら、知識が増えてきていることを実感する頻度が高いからだ。1年に1回、その人のことを知ることが出来る場合と1年に30回その人のことを知る機会がある場合では、圧倒的に後者の方が楽しく感じる。逆に知る機会が少ないと毎日毎日が何の成果もない変化のない日々であり知ろうとする気力が削がれる。

このようなことは、仕事でも同じである。1年間何の成長もない仕事をするのと、1年間に何度もスキルアップを実感できる機会がある仕事では、圧倒的に仕事への意欲は違う。多少辛くても殆どの人が成長している実感を求めるのは、そのような理由がある。また、このことを会社に例えることも出来る。会社を経営していく上で、会社をより良くするための要素を1年間何も獲得出来ない企業と、市場で生き残るために大切な要素を知ることが出来る機会が多い会社では、長期的に見れば後者の方が圧倒的に大きな会社になる可能性が高い。

人間でも会社でも、より良くなるために必要なことの1つは、「前に進んでいる感じがすること」だ。人間であっても会社であっても、最も嫌うのは停滞感である。時には我慢は必要だとしても、仕事の中で自分自身のスキルが上がってきている実感がなければ、従業員は転職する。会社が事業を行っていく中で、得られるものがなければ、企業は成長しない。それはお金かもしれないし、人脈かもしれないし、顧客からの信頼かもしれない。いずれにせよ、得られるものが少なければ何度も継続することは難しいのだ。

話を戻そう。マーケティングにおいて顧客を知ろうとするとき、顧客を知るスピードは非常に大切である。顧客を知るスピードが遅ければそれだけ成長するスピードに影響する。1年間で100のことを知ることのできた企業と、10のことしか知ることのできなかった企業に差が生まれるのは当然のことである。また、当然のことながら知ることが多い企業は、事業を継続しやすくなる。より良く知ることでより良い施策を打てるようになり、お金と人材が集まり環境が良くなるからだ。

マーケティング担当者は、より早く顧客を知るための努力をしなければならない。しかし、上記で説明したようにデータ分析や調査では、他社に差をつけることは難しいだろう。誰もがやっていることをやっても差が出来るわけがないからだ。

マーケティング担当者は、こちらから顧客に刺激を与えるべきだ。そして、どんな刺激にどんな反応をしたのかの知見を蓄積していくことが大切である。その方が圧倒的に知識の習得は早いからだ。ある人を知ろうとしたとき、ただひたすら観察するよりも、思わぬ反応からその人をより良く知ることが出来る場合がある。観察している限りでは、大人しく冷静な人だと思っていたのに、ひったくりを目撃したら懸命に犯人を追いかけるような熱い正義感を持った人かもしれない。このようなことは観察だけしていては知りえない。こちらから刺激を与えることで初めて知ることが出来ることである。

マーケティング担当者は、顧客が動くのを待つのではなく、刺激を与えてどんな反応をするのかを見たほうが早く顧客について知ることが出来るのだ。もちろん、ひったくりをしろと言っているのではない。そうではなく、刺激を与えなければ顧客は反応しないということだ。どこに何もしないで会社側が知りたいことを知らせてくれる人がいるというのだろう?

そして、この刺激が多ければ多い程、色んな反応を得ることが出来るのだ。もちろん、何でも刺激をするのではなく計画性が必要なのは大前提であるが、今のマーケティングにはこのような刺激を与えることが非常に少ないのではないか?と思うのである。消極的になればなるほど、環境は悪くなる一方で、積極的になればなるほど環境は好転しやすくなるのだ。

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