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類似オーディエンスが有益ではない理由

数年前に期待された「類似オーディエンス」

今、この手法について聞かれることが少なくなったと感じないだろうか?今回はこの類似オーディエンスがなぜ活用されなくなってきたのか?について考えてみたいと思う。

類似オーディエンスとは何か?まずは簡単に説明すると、既存の顧客と似た傾向を持つ集団だと思ってもらってよい。御社の製品サービスを既に購入している顧客と同じような年齢や同じようなサイトを閲覧している人たちのことを類似オーディエンスというのである。なぜ、それが分かるのか?と言えば、Cookieという技術によって可能になっている。気になる方は調べてみて欲しい。

この類似オーディエンスをどのように活用するのかというと、例えば自社製品の購入実績のある顧客リスト(Cookie)をFacebookの登録者のCookieと照合して、似たような登録者に広告を配信するのである。そうすることで、費用対効果の高い広告を出稿することが出来るという理論である。

しかし、このようなやり方ではほとんどの場合有益な結果は出てこない。なぜなら、結局のところ同じようなサイトを見ていようが年齢層が同じだろうが別の人間だからである。御社の製品サービスを購入した理由は年齢層でないように、購入する理由は別のところに存在するから同じような行動をしていても成果は出ないのである。そんなことよりも、行動には現れてこない内面の部分が購入の要因になっているからだ。

考えてみれば当然なのだ。例えば、不動産サイトを40代男性が閲覧したからといって、決して買おうと思っているかどうかは分からないし、マンションを買うのかも戸建てを買おうと思っているのかも分からない。それに、個人的な好みもそれぞれで同じように見える人でも御社には全く注意を向けなくてもごくごく当然のことなのだ。そのことを無視して都合のよい答えに飛びつくことで多くのお金が失われる結果となったのだ。

結果、多くの企業が類似オーディエンスの活用を諦めるようになった。少なくとも以前よりも類似オーディエンスに対する期待値は明らかに小さくなっている。何度も同じことをこのブログでも言っているが、みんな安易な答えに飛びつきすぎである。たまには自分の頭で考えてみる必要があるのではないだろうか?(こんなこと言ったら怒られそうですが本当のことです)

しかし、類似オーディエンスが絶対に成果が出ないというわけでもない。類似オーディエンスによって効果が出た事例としては、Facebook経由で購入実績のある人だけを拡張する事例であろう。御社の製品サービスの中でFacebook経由で受注した人だけを拡張するのである。そうすると意外と費用対効果は上がってくるのだ。なぜなのだろうか?(まずは自分で考えてみて欲しい)なぜ、Facebook経由の人だと効果があって、それ以外の参照元だと成果が出ないのか?個人的な見解を言えば、各個人が信頼するサイトや媒体に違いがあるからだと考えている。色んな人がいるだろうが、各個人によって各媒体への信頼感というのは違う。Facebookを楽しんでいる人と楽しんでいない人では違いが生まれるのは当然のことである。Facebook経由でCVした人だけに絞って類似オーディエンスを利用したら効果が出たのはそのようなことが原因ではないかと考えている。

いずれにせよ、Cookieで取得した情報だけで費用対効果の高い広告配信が出来るとは思わないことだ。そんな楽な解決策に飛びつきお金をむしり取られるのではなく、ちゃんと自分の頭で考えて実行すべきだ。お金をむしり取られるのはいつだって自分の頭で考えない人間なのだから。

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