2015
09.30

営業とマーケティングの関係を良くするための1つのアイデア

マーケティング

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営業とマーケがうまくいかない理由は、異なる価値観にある

私の知る限りのことを言えば、営業とマーケティングはあまり良い関係ではないと思っている。今まで経験した事例で言えば、営業とマーケティングが全くコミュニケーションを取っていない会社もあったし、営業の力が強くでマーケティングの発言力がないという会社もあった。また、一見良い関係なのかな?と思わせるものの内心ではお互いをよく思っていないという会社もあった。私自身も事業会社でマーケティングを担当していた経験から言っても、マーケティングと営業はあまり関係が良くなかった。営業から何度となく集客や見込客のことで遠まわしに詰められることがあった。そんなことが続くと私も人間なので段々と営業とあまり話がしたくないなって感じるようになり、いつの間にか距離が出来る。そして、いつの間にかコミュニケーションをとらなくなる。いや、会話は普通にするけど、お互い嫌な部分には触れないようにするようになってしまった。人間はいつも楽な方へ楽な方へと流れてしまう。きっと人間に感情が備わっている限りそうなってしまうのだろうと今になって思ったりもする。

でも、それではダメなことはみんな知っている。前回の記事でも書いたが、マーケティングの仕事で最も重要な仕事は顧客理解であると私は思っている。そのためには、顧客のことを最もよく知っている営業とのコミュニケーションが不可欠だ。営業は何度も契約に至るプロセスを経験しているのであり、契約に至る人の特徴と契約に至らない人の特徴をよく知っている。それらの情報をまとめ整理することで顧客理解が進むし、顧客の変化にも気づくことが出来る。そんな貴重な情報源を自ら断ってしまうのはあまりにも非合理的である。と私自身でも分かっていた。でも、そうはさせないのである。

なぜ営業とマーケティングはうまくいかないのだろうか?一般的に言われている原因は意識している時間的な違いであるようだ。営業は、現在の売上が最も重要であるが、マーケティングは、将来的な売上が最も重要という考え方であったり、営業は、既存製品サービスを売ることに注力するものだが、マーケティングは、売上増大のための新しい取り組みに注力するものという考え方である。見ているところや意識しているところが違うために会話が成り立たないし、互いに重要視しているポイントが違うために分かり合えない。

いずれにせよ、営業とマーケティングには何か同じ共感できるものが必要なのである。同じ価値観と同じ時間軸と同じ基準で話が出来る何かが必要なのである。それがあればきっと上手くいくはずと思うわけである。それをどうやって用意すればいいのだろうか?

 

営業とマーケティングが協力して進めるプロジェクトを作る

営業とマーケティングの違いについて書かれた記事はたくさんあった。多くは違いを説明するだけで本当は協力関係を築くことが大切と言っているだけで具体的な解決方法については触れらていない。しかし、ダイヤモンドオンラインの斎藤顕一氏の記事は少し参考になった。同氏が言うには、営業部門の中にマーケティング部門を取り組むという解決方法だ。具体的に言うと、営業の役割として「売る」という行為の他にも既存顧客が自社製品についてどう感じているのか?課題や問題点はないかをヒアリングして改善するための情報を上げるというものがあり、そのヒアリングにマーケティング部門の人間を入れるという方法である。これにより、マーケティング部門の人間が直接顧客と話す機会を創出できるとともに営業部門の人間にもどう製品を改善して行くべきか、どう伝えていくべきかというマーケティング的な視点を養う機会にもなるという方法だ。確かに、このようなことを会社の方針として実施していけば嫌でも互いの理解が深まるだろう。

ただ私はこの記事を読んでもう一つ可能性があるのではないかと感じた。つまり、営業部門にマーケティング部門を取り込むという方法があるのであれば、マーケティング部門に営業部門を取り込むということも可能なのではないか?ということだ。前者では、営業の仕事の一部であるヒアリングという仕事をマーケティング部門の人間が実施することで問題解決につなげるという考え方だが、後者の場合であれば、マーケティング部門の仕事の一部を営業部門の人間が実施するということもあり得るのではないかと思ったのだ。

では、マーケティングの仕事で営業が出来る仕事、営業の人間が得意とする仕事とは何だろうか?どこで営業の力を発揮してもらうか?そして、その時同じ価値観と同じ時間軸で同じ基準で話が出来るものでなければならない。私が思ったのは、既に保有している見込客の中から多くの売上を期待できる企業を営業にいくつか選んでもらい、その企業へのナーチャリングをマーケティング部門と一緒に実施するというものだ。営業からすれば、大きな売上を期待できる企業であれば、やる気になるだろう。マーケティングも大きな売上が期待できる見込客のナーチャリングで営業に引き渡すことが出来れば実績になるし、営業から様々な情報を入手出来れば他の通常のマーケティングだけでナーチャリングする時に役に立てることが出来る。

例えば、定期的にメールを送るタイミングで営業とマーケティングからどんなメールを次に送るべきかという会議を行うことで、営業はいかにマーケティング部門が慎重に色々なデータをもとに考えて一つのコンテンツを送っているのかが理解できるだろう。そして、そんな会議を続けていけばきっと営業からも有益な経験上の情報を提供してくるだろう。営業としてもこの見込客との取引が出来るなら大きな売上が期待できるわけだから、今まで契約に至った人と契約に至らなかった人を具体的に思い浮かべるだろう。それぞれの人がどのようなプロセスで契約まで至ったのかそしてどんな情報を提供すべきなのかも顧客と直接会っている営業であれば具体的な事例をマーケティング部門へ提供することが出来るはずだ。それら断片的だけど貴重な情報をもとにマーケティング部門は情報を整理し意味を考えてまた新たな施策を実行するということが出来る。さらに、そのような業務の中で営業はマーケティングがどのようにナーチャリングをしてどんな状態で営業に引き渡されているのかも十分に理解できる。理解できれば、営業がどのように営業すればいいのか、マーケティング部門がナーチャリングした顧客をどのように営業するのが効果的なのかということを考えることが出来るようになる。それまで単純に自分たちのやり方を実行するのではなく、マーケティング部門からの流れを引き継いだ営業方針を立てることが出来るはずだ。

それこそが、マーケティングから営業への本来あるべき流れと言えるのではないだろうか。そこには断絶はない。マーケは何をしているのか?営業が自分勝手な営業手法でせっかくの見込客を台無しにしている!なんてことはなくなるのではないかと私は希望観測的ではありますが思っている。

やっぱりどちらかがどちらかを巻き込まなちゃダメなんだろう。その時に同じ基準で議論できる何かを考えなきゃならない。今回の私の考えは単なる一例に過ぎない。こんな感じでお互い一緒に何か出来ないかを考えればきっともっと良い方法は沢山あるはずである。