マーケティング部門における新しい取り組みを成功させるための「小さい目標達成の方法」

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小さい成功を積み重ねること。これは、人が習慣的に何かを続けるためのコツだ。しかし、このことは決して個人だけに当てはまるわけではない。組織においても何かを継続していくにあたって必要なことである。

小さい成功を積み重ねることの何が良いのか?それは、よく言われるように失敗の連続がモチベーションを下げるからだ。たとえば、10キロ痩せるという目標を設定した場合、10キロ痩せるまではずっと成功することはない。長い間、失敗が続くということだ。また、人は楽なやり方に魅力を感じる生き物だ。そのため、1週間で2キロやせることに強い魅力を感じてしまう。そして、失敗する人ほどこの最も成功確率の低い目標を設定してしまう。結果としてずっと失敗してしまうのだ。

一方、成功する人は、10キロやせることを目標とするにしても、200グラムずつやせることを目標とする。200グラムずつ痩せるだけなのであれば、手段も簡単なものが多く、比較的成功しやすくなる。痩せる手段も楽なものばかりであり、失敗する可能性は低い。結果として、成功体験が繰り返されることになり、それ自体が楽しくなり、継続しダイエットに成功するのだ。

このような小さい目標を設定するやり方は、企業が「新しい取り組み」を実践するときにも役に立つ。殆どの企業において「新しい取り組み」には、多くの困難が待ち受けているものだ。企業トップの無理解や従業員の新しい仕事が増えることへの拒否反応など様々存在する。さらに、「新しい取り組み」というものは、基本的に失敗が付きまとうものだ。そのような社内の厳しい目がある中で、失敗が繰り返されれば、さらに成長するに当たっての予算の獲得や人材の獲得がさらに厳しくさせることにつながる。

本来、仕事には失敗はつきものであるはずなのに、新しい取り組みが一度でも失敗すると、やはりダメだったとなる。それは、その新しい取り組みを知らないからこそ起こる現象である。知らないからこそ、失敗が成功につながるプロセスを思い描くことが出来ないのだ。しかし、批判する人が営業畑出身なのであれば、営業には失敗はつきもので、その失敗から学び成功につながるプロセスを思い描くことが出来る。それは、営業という取り組みをよく知っているからだ。

そのため、周囲に理解されにくい新しい取り組みには、「小さい目標」を設定し「確実に達成することを繰り返す」ことが重要なのだ。成功の連続は、社内に安心感を与える。その安心感が、新しい取り組みへの理解につながるのだ。会社は一つの生き物のようなものである。人間が失敗続きのことに対して段々と嫌になってくるように、会社で失敗が続く事業に対して風当たりが強くなるのだ。

次に重要なのは、目標の立て方である。誰でも簡単に達成できる目標を達成してもあまり意味はない。そうではなく、最終的な目的を達成するために逆算して今何をすべきかを考えなければならない。つまりは、成長のプロセスを考えなければならない。この成長のプロセスを上手く描けるかどうかが、成長出来る企業と成長出来ない企業の違いである。どんな小さな目標を設定し、どのような順番で達成していくのかということである。

さらに、上記に成長するためには、資金と人材などが必要であると書いたが、それら資源がどのタイミングでどのくらい必要なのか?そのような資源を手に入れるために、いつまでに何をしなければならないのかという側面も考えなければならない。達成するたびに、何か新しい武器を手に入れ、徐々に成長していくRPGゲームのように成長のプロセスを描くのである。その武器は、予算かもしれないし、新たな顧客理解やインサイトなのかもしれない。

一方で、成長していけない事業というのは、いくら頑張っても新しい武器が手に入らない場合である。いつまで経っても、顧客理解が進まなかったり、同じやり方を繰り返すだけでは成長しないのは当たり前である。そうなってしまう企業は、単純に目標数字しか存在しないところが多い。本来であれば、数字目標を達成するために不足しているもの、必要なものを検討すべきなのに、数値目標達成のために、ただひたすら頑張ってしまうのだ。ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返すのだ。試行錯誤は良いがそのやり方が問題で新しい武器を手にすることが出来ないのだ。小さな目標ではあるが、単純に頑張るだけで達成できるのは最初だけだ。徐々に成長するにつれて難易度は上がってくる。そのようなときに必要になるのは、客観的になって何が不足しているかの分析に他ならない。目標を達成する前に、達成すべき目標があるはずで、まずはそれを達成する努力をしなければならないのだ。つまり、成長するにつれて数値目標だけでなく、顧客の比較検討における重要ポイントを知ることなどの記述的な目標も必要になってくるのだ。

新しい取り組みは楽しい。しかし、それ以上に苦しいものだ。だからこそ、正しく小さな成功を積み重ねる必要があるのだ。近年は、マーケティングオートメーションやらDMPやらAIやら様々なテクノロジーの導入が必要になってきているという。本当に必要なのか?という議論はあるものの、マーケティング部門は、新しい取り組みの連続であるとも言える。そのような中で成長していくためにも、今回紹介したやり方を一つの参考にしてもらえれば幸いである。