マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

顧客自ら「物語」を作り始めているか?効果的なマーケティングか確かめるために。

マーケティング担当者として売上を拡大させるために商品サービスに「新しい属性」を追加すべきだと言われる。言い方を変えれば、このブログでよく言っている「新しい思考枠・フィルター」で商品を見てもらうことだ。

多くの商品サービスに溢れ汎用化した現代において、消費者にとって「新しい」「欲しい」と感じてもらえる「属性」を見つけ出さなければ、価格競争に巻き込まれすぐに利益の出ない商品サービスになる。

しかし、そう簡単に消費者にとって魅力的な属性を見つけることなんて出来ることではない。多くの優秀な人々がマーケティング担当者として取り組んでも成功しないことのほうが多く、非常に困難な仕事である。

今回は、そのヒントになるかもしれない「消費者が自ら信じたい物語を作ること」について述べたい。

「リーデル」というワイングラスメーカーをご存知の人も多いかもしれない。このメーカーが言うには、どんな飲み物用グラスにもおいしく飲める形というものがあるという。リーデルのWebサイトにはこんな記述がある。

『同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと香りや味わいが変わるという事実に着目し、世界で初めてブドウ品種ごとに理想的な形状を開発したオーストリアのリーデル。これらのグラスは、世界中のワイン生産者たちと共に“ワークショップ”と呼ばれるテイスティングを繰り返して決定され、ワインの個性や造り手の想いまでも忠実に再現するグラスとして、ワイン生産者や愛好家の方々から絶大な信頼が寄せられています。』

リーデルWebサイト

しかし、これは控えめに言って「嘘」である。科学的な実験つまり、被験者がグラスの形状を知る可能性のない検査方法で調べてみるとグラスによる味の差は皆無だったのだ。

しかし、その事実を知っても多くの人がグラスによってより良い味になると信じて疑わない。実際、多くの人がグラスによって味が良くなったと経験談として話す。なぜだろうか?それは「グラスによって味が良くなるはずだ」と信じているからなのだ。もしくは、「そう信じたい」からだ。

リーデル社の事例からは多くのことを学ぶことが出来る。特に、リーデルが作り出した物語によって多くの消費者が「より良い瞬間」「より良くワインを味わう時間」を消費者自ら想像し始めたことだ。その消費者自身が作り出した物語によって消費者が購入へ突き動かされているのである。

消費者はいつもどこかで「なりたい自分」「こうしたい」「こう考えたい」などを持っているものだ。そのなりたい自分に近づくことが出来ると感じられる機能・属性があれば、消費者は好き勝手に物語を描く。魅力的な未来を想像し夢見心地になる。そんな瞬間のためならお金を少しくらい多めに払うこともいとわないと感じるようになる。

もし、あなたがマーケティング担当者で、「どんな属性を強調すべきなのか?」「どう自社の商品サービスを伝えていけば良いのか?」について悩んでいるのであれば、「消費者が自ら信じたい物語を思い描くことが出来るかどうか」という基準に照らし合わせてみることである。テレビの画素数がより良くなることやスマホの重量が3g軽くなる事実から、消費者が信じたい物語を作り出すことだろうか?いや作れないだろう。しかし、例えば、テレビに頭の良くなる番組を探しておススメしてくれる機能があると言われれば、消費者はいろんな物語を思い描くことになる。会社で出世したときの物語を描く人もいるだろうし、学校の成績が上がって注目の的になることを想像する人もいるだろう。

また、この消費者の「なりたい自分」「こうしたい」「こう考えたい」は常に変化する。大きな事件・事故・災害などよっても、企業の新商品・新サービスによっても様々な要因によって変化する。そんな消費者が常に変化し続ける中で「最適な機能なのか?」「魅力的な属性なのか?」「魅力的な伝え方なのか?」を判断しなければならない。そんな時にも「消費者自ら信じたい物語を作り出しているかどうか」という基準に照らし合わせることで、消費者の変化をキャッチすることが出来るはずだ。

あなたの会社の商品サービスは、消費者にどんな未来をどんな物語を提供しているだろうか?一度、考えてみてほしい。

参考文献:マーケティングは「嘘」を語れ!セス・ゴーディン著(ダイヤモンド社)

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