マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

「購買データの使い方」がQRコード決済の普及のカギ。【マーケティング】

QRコード決済の乱発が凄まじい勢いである。LINE Pay、PayPay、楽天ペイ、Origami、au PAY、メルペイなどあるが、今後は「セブンペイ」「ファミマペイ」「ヨドペイ」「Bank Pay」などさらに増加する予定になっている。

しかし、このようなサービスの乱発は、利用者からすれば混乱の元でしかない。ただでさえ、QRコード決済について態度を決めきれていないのに、様々なサービスが出てきたところで、どれが一番良いのかなんて決めることは出来ない。世の中がキャッシュレス化になることを理解していたとしても、ある日突然QRコード決済に対する明確な基準や考え方を持てるはずもない。

もちろん、この困惑は、利用者の中に選択する基準がないことが原因ではない。皆さんも感じるだろうが、どのQRコード決済において違いを感じることが出来ないことが利用者を困惑させる大きな原因の1つである。

PayPayにしてもLINE Payにしても、結局は「利用可能店舗数」と「割引率」の大きさで競い合っているだけであり、利用する側から見れば、選ぶだけの十分な条件にはならない。これでは、各社どれも基本同じですよと言っているようなものである。

利用者は「そもそも、なぜQRコード決済を使わなければならないの?」と心の奥底では思っているはずだ。QRコード決済は、中国で主に利用されている決済方法であるが、それは中国では偽札をつかまされることが多かったことや手数料の少なさがQRコード決済が普及する要因となっている。また、利用者にとっても電子決済を使うことで自身の信用スコアを上昇させることにもつながるため、事業者と利用者双方に利用するメリットが明確にあった。そして、それを国を挙げて推進したことで普及した背景がある。

しかし、中国と違い日本においては、偽札をつかませることなんてないし、そもそも決済について事業者も利用者も多くの不満があったわけではない。既に普及していたスイカなどの接触型決済よりもQRコード決済は手間がかかり、少し不便になるのだから利用者の中では「なぜQRコード決済を使わなければならないの?」という疑問が起きても不思議ではない。

一方、企業としては個人情報を獲得し、マーケティングやプロモーションに活用したいのが本音であろう。つまり、QRコード決済を利用してもらうことで誰がどこでいつ何を購入したのかというデータを取得することが出来るということだ。そのデータをもとにクーポンを適切なタイミングで発行したりすることができるようになる。それに目を付けたYahoo!やLINEや楽天といった企業がそれら購買データを導入企業に提供することで手数料を獲得しようとするものだ。購買データの囲い込み競争なわけである。

しかし、この「個人の購買データの取得」は出来れば自社で蓄積したいのが事業者の本音である。このような「個人の購買データ」をPayPayなどプラットフォーム事業者に依存してしまうことはリスクであり出来れば避けたいものだ。また、QRコード決済サービスを開始することの技術的・予算的ハードルが比較的低いこともあり、結果として独自開発してサービス展開する企業が増えているわけだ。PayPayも導入しながら、自社開発したQRコードも利用できるようにするのは、データの性質が違うものを手に入れることが出来るからだろう。

また、QRコードは幅広い店舗で利用される可能性が高く、Tポイントなど一部店舗に限定された購買データを分析していた企業がQRコード決済の購買データに乗り換えるという事態が発生しているのもよく知られたところだ。ファミマやドトールなどがTポイントから撤退し、PayPayと自社開発のQRコード決済を始めるのもそのような流れからだ。

私は、この購買データをどのように使うかで、QRコードが普及するかが決まると考えている。なぜなら、この購買データこそが利用者にメリットやベネフィットを提供するためのリソースになり得るからだ。

今はまだ、購買データをマーケティングやプロモーションに活用する事例は出て来ておらず、利用者にとっては割り引き以外になんのメリットもない状態だ。現状のままであれば、QRコードはたいして普及しないだろう。企業や国の都合でキャッシュレス化すれば使ってくれるわけではない。マイナンバー制度がこれほど普及しなかったのも国の都合でしかなかったからだ。利用者に明確なメリット・ベネフィットを提供できるかどうかがQRコード決済サービスの普及に大きく影響するはずだ。

そのため、PayPayやLINEPayなどは、各導入企業が購買データを分析するだけで終わりにしてしまうとか、単純にクーポンを発行するだけといった施策に留まるような事態は避けるべきだろう。それだけでは購買データを抜き取られているだけで企業ばかりが得をして利用者にはメリットがなさすぎる。そうではなく、QRコードを使った購買シーンをより良くするためにデータを活用するよう導入企業を導いていくことが重要な課題となってくるはずだ。もし、それらデータを購買シーンをより良くするために活用させることが出来れば、QRコードを使う理由が出来て大きく成長するはずだ。

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