マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

「後払い決済」の恩恵を受けるのはどんな企業なのか?【マーケティング】

最近、再び注目されるようになってきている「後払い決済」は、定着するのだろうか?もし、この決済方法が定着するのであれば、どんな人をターゲットとした企業なのだろうか?今日はそのことについて考えてみたい。

◆「後払い決済」とは

「後払い決済」は、「ツケ払い」というサービス名でZOZOTOWNが始めたことで話題になりました。このZOZOTOWNのツケ払いは、商品を受け取った後に同封された請求書を使ってコンビニや銀行などで支払いが出来るサービスです。利用者からは「便利だ!」という高評価と共に、ツケが溜まってしまうことへの不安の声が聞かれました。他にも、ネットプロテクションズが展開している「atone」というサービスも後日、コンビニなどで支払う後払いサービスです。

この後払い決済は、QRコード決済と何が違うのだろうか?それを明確にすることで後払い決済の特徴がわかるのではないだろうか。QRコード決済は、基本的に銀行口座と紐づけ、自身のアプリに金額をチャージして利用することができるものが多い。利用するときは、QRコードを店舗に提示することで利用することができる。

一方、後払い決済は基本的に銀行口座と紐付くわけでわけではない(紐づけるものもあるが)。基本的に、クレジットカードを持っていなくても利用することが可能であり、「atone」に関して言えばスマホの電話番号があれば大丈夫だ。電話番号をもとに与信審査を実施することが出来るようになっている。

◆「後払い決済」は、事前準備がなく利用のハードルが低い

「後払い決済」は、QRコード決済のように利用するための事前準備が殆ど必要ない。顧客が誰であろうと正しい住所や電話番号を入力すれば利用できるのである。つまり、利用を開始するまでのハードルが非常に低いのが特徴の1つであると言えるのだ。QRコード決済のようにアプリをスマホに入れて、銀行口座と紐付ける作業や毎回利用料金をチャージするような手間も必要がない。そういう意味において、後払い決済はQRコード決済よりも幅広い人に活用してもらえる可能性が高い決済サービスであると言える。

◆利用金額の把握しにくい。使いすぎる傾向。

また、QRコード決済は、自分自身でチャージした金額を確認できるし、あとどれだけ残っているのか、どれだけ使ったのかを把握することが出来る。しかし、後払い決済は請求書払いであるため、どれだけ利用しているかは把握しにくく、使い過ぎる傾向のある決済手段であると言えるかもしれない。実際、後払い決済にすると利用者が増えるようなデータもあるそうだ。

QRコード決済でどれだけ使っているのかを把握できる機能は、利用者の自制心を働かせる仕組みとも言えるのだ。逆に、その機能がない分、自制心を働かせるきっかけがなく、ついつい使い過ぎてしまうのは当然ともいえる。

後払い決済は、利用のハードルの低さと言う側面のにおいて圧倒的に良いと考えられるだろう。クレジットカードさえ必要ではなく、多くの人が利用可能になるため、その便利さを一度知ってしまうと継続して利用しようと考える人が多くいても不思議ではない。

ただ、懸念点としては、やはりそのわかりにくさだろう。店舗側からすればそのわかりにくさが購買につながる側面はあるがこの後払いサービスによってツケが溜まってしまう人が増えてしまう可能性はある。そしてそれがSNSによって拡散されることが最も恐ろしい。少しでも多くの人に簡単に買ってもらいたいと思う企業側の思惑が、社会的な限界を超えないようバランスを取る必要があるだろう。

◆後払い決済は、どんな顧客を持つ企業にとって効果的なのか?

この「後払い決済」は、購入を感情的な側面が支配しやすい商品と相性が良いと考えられる。例えば、ブランド品などはその典型だろう。ブランド品というのは、多少の無理をしてでも欲しいと感じる商品である。そのような「どうしても欲しい感情」と「後払い決済」は非常に相性が良い。

現金や銀行口座と紐づいている決済手段だと、その瞬間の支払い能力がすべてである。買いたいと思ったときにお金がなければ買うことが出来ない。しかし、後払い決済はその瞬間は支払い能力がなくとも支払い期限までに支払い能力を付けておけば良いわけで、その瞬間の欲しい感情を満たすことが可能になる。これまでなら、その瞬間に支払い能力が無くて、泣く泣く諦めていた人でも後払い決済であれば購入することが出来る。ブランド的要素が強い商品を持つ企業であれば、後払い決済は売上に貢献する可能性が十分にあると考えることが出来る。そういう意味でZOZOTOWNが後払い決済を導入したことは正解と言えるのだと思う。

逆に感情的にはならならず無理をしてでも欲しいと思わないような商品では、それほど後払い決済による恩恵は少ないように感じる。そのような商品の場合、顧客の心理は、どこかで後払いのメリットは認識しつつも、後払いすることのデメリットも考慮してしまうだろう。

この後払い決済は、この瞬間の購入のタイミングを逃したくないと考える顧客には好意的に受け入れられるだろう。アパレルなどは、今年買わなければ来年は流行が過ぎ去ってしまう意味においてもやはり相性が良いように感じる。一方で、来年でも同じくらいの金額で買えることが分かっているような商品は、この瞬間に買う必要はないわけで「後払い」にしてまで購入しようとは思わないだろう。

あなたの会社の商品はどうだろうか?

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