マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

ナイキ「フルマラソン2時間切りへの挑戦」プロジェクトのコミュニケーション戦略の狙い

『他社の商品サービスと差がほとんどなくなりつつある。だから、企業は商品サービス以外のマーケティングコミュニケーションやブランディングに力を入れるべきだ。』

こんなセリフは至る所で聞かれる一方で、うまく実践できているところは少ない。

この記事では、マーケティング担当者が商品サービス自体の差別化ではなく、コミュニケーションによって差別化し、他社商品サービスよりも自社の商品サービスを買いたいと思ってもらう方法について考えてみたいと思います。

商品サービス自体は昔に比べて非常に高度であり便利になりました。しかし、その恩恵に慣れてしまえば消費者に感動を与えることはできません。感動のない商品サービスに対して消費者はこれまでのように行動はしてくれない。新商品サービスにこれまでにない情熱と投資をしたとしても、消費者は何も感じてはくれない。私たちは高度に成熟した市場に生きているからです。

そんな成熟した市場で生き残るために企業に残された手段の1つが『マーケティングコミュニケーション』です。これまでのコミュニケーションは商品サービスを使うことで得られるメリットをいかに伝えるのかという点が重視されたきましたが、これからのコミュニケーションはいかに「消費者を共感させる」ことも重要であると考えます。

これまでは商品サービスによって消費者の課題や不満を解決できると伝えるのが最も重要でした。消費者の課題を認識し、その課題を解決するために商品サービスが開発されるからです。しかし、その課題は多くの場合、競合商品や代替手段がある。また、お金を払って解決するまでもない課題であったりする。だから、課題を解決できるからと言ってもこれまでのような購買行動を起こしてくれなくなった。

こんな環境下で重要視されているのが「消費者との共感」です。消費者との共感というのは企業・商品サービスと消費者との共感のことです。消費者が企業や商品サービスに対して自分の中にある何かと同じであると感じてもらうことです。

例えば、つい最近ナイキが「フルマラソン2時間切りへの挑戦」というプロジェクトを実施しました。このプロジェクトはあと十数年かかるであろうフルマラソンの2時間切りを「一緒に走る選手」・「コース」・「補給タイミング」などを最適化することで2時間切りは可能であるという科学者の理論を実証するための挑戦プロジェクトです。コースは可能な限りフラットであるイタリアのモンツァサーキットで行われ、補給タイミングも最も理想的と考えられる2.4キロ毎に設定されました。結果は、2時間23秒とあと少しで達成できなかったのですがこの挑戦をしたナイキの消費者へ与える影響は少なくありません。


(ゴールシーンは2時間16分あたり)

もちろんこのプロジェクトは、ナイキのシューズを売るためのコミュニケーション戦略です。おそらく、フルマラソン2時間切りに挑戦するために開発されたシューズが今後発売されるでしょう。このシューズを欲しがる人はこのナイキの「記録への挑戦」に強く共感した人たちでしょう。また、このプロジェクトに強い共感を抱かなかったとしてもナイキが新しいシューズを発売すればこのプロジェクトのイメージが作用してナイキのシューズに対してポジティブな印象を持つでしょう。もし、シューズを買い替えたいと思っていたら買う可能性はさらに高まると考えられます。他のメーカーのシューズと大きな差はないのですから。

ナイキのこのプロジェクトは、下記のよくある図の考え方を実践した例と言えます。

消費者心理の何と共鳴させるか?沢山の選択肢があり競合他社の商品サービスと差がない中で消費者が選ぶ基準をコミュニケーションによって構築すること。これがこれからますます必要とされるコミュニケーション戦略なのです。

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