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ニューロン結合による顧客区分の考え方

顧客区分の重要性

顧客区分はマーケティングの基本中の基本であり最も重要なステップである。自社製品サービスを最も評価してくれて購入してくれる人が誰なのかが分からなければ、何をどのように努力すればよいのかも分からない。顧客をどのように分けて考えるのかによって今後の方向性がまったく違ってしまうほどの大きな決断が顧客区分である。

 

これまでの顧客区分

これまでの顧客区分というのは主にデモグラフィックデータなどの定量的なものやアンケートなどで取得した定性的なものをもとにしていた。年代別に分けたり、企業や製品に対する態度に分けたりするものである。最近では、テクノロジーの進化によってWebの閲覧履歴などの顧客の行動によっても区分することが出来るようになってきている。

 

これまでの顧客区分の限界

しかし、様々な情報をもとに様々な角度から顧客を区分することが出来るようになった現在においても、自社にとって最も最適な顧客の切り分け方を心得ている企業はまだまだ少ない。その一つの要因として考えられるのが顧客の変化である。常にマーケターは顧客の変化を見極め新しい顧客の切り分け方を見つけ、新しい施策を展開し続けている。顧客が変化するたびにこれまで利用していた区分の基準が使えなくなることもある。

 

脳のニューロン結合をヒントにした顧客区分

だから、マーケターにとってどんな業界でも顧客がどう変化しようともすぐに対応できる方法があるのであれば、それは誰もが知りたいことである。その1つの手法として私が個人的に注目しているのが人間のニューロンの結合を図式化した顧客区分である。

 

ニューロンの結合の仕方によって印象が変化する

顧客には、あなたの企業や製品サービスへのイメージや印象がある。そのイメージや印象は脳のニューロンの結合によって構成されている。例えば、「4つのタイヤ」があり、「円形のもので操作」し、「足元のペダルを踏み込む」ことで進んだり止まったりするものと言えば誰でも『車』と認識出来るのと同じである。1つのイメージや印象は複数のニューロンが結合することで形成されるように、あなたの会社・製品・サービスにもいくつかのニューロンが結びつくことで形成されている。

 

購入する人のニューロンの結合を見つける

ここで私が思ったことは、ある製品サービスを購入する人のニューロンの構成は似ているのではないか?ということである。購入する理由は複数あるのは当たり前だが、その製品サービスを購入するに当たって必須となるニューロン構成があるのではないか?と考えたのである。もちろん、購入する人が全く同じニューロンの構成を持っているということではない。そうではなく、例えば、100個のニューロンで一つのイメージや印象を形成しているのであればそのうちの10個くらいは購入する人は必ず持っていてそれぞれが同じような強さで結びついているのではないかということである。購入する人と購入しない人の違いはそのニューロンの違いを区別することが出来るのではないかということである。

例えば、あるタイプの車を購入する人は、「企業への信頼感やイメージ」「購入後のサービス」「燃費」「価格」においてある一定以上の強さで満足していると分かったとする。それはつまり、この4つの要素をある一定以上まで押し上げることが出来れば購入してくれる可能性が高まるということである。このゴールに向かって努力することが出来るようになるのではないかと考えたのである。

 

新しい顧客セグメントの方法のメリット

(1)何が足りないのかが分かる=必要な施策が分かる
このように考えることのメリットの一つは、どの顧客に何が足りないのかが分かるということである。まだ検討段階にいる人の中でも「信頼感やイメージ」と「燃費」には十分満足しているが、「購入後のサービス」や「価格」には満足していない人など何通りもの検討段階の顧客が存在する。そのような検討段階にある顧客一人ひとりに対して何をどのようにアプローチすることが必要なのかが分かるようになる。

(2)どの顧客区分の人にアプローチするのが効率的かがわかる
企業や製品サービスの特徴によっては、「価格」に難を示す人は積極的にアプローチすることが非効率になる場合がある。高級車などは「信頼感やイメージ」に高い満足を示している人を相手にすべきだし、そのような人を増やす施策を実施する方が効率的だ。ある程度の投資によって施策を実行すれば「価格」に対する顧客の満足度を上げることが出来ると分かっても、費用対効果から見ると決して良い方法とはいえないと判断することが出来る。

(3)顧客の変化を捉えることが出来て、すぐに対策出来る
顧客が変化するにしても、結びつきが強くなったのか弱くなったのか、新しい要素が加わったのか、なくなったのかがこのようなニューロンの構成図によって整理することが出来るようになる。

結局のところ、大切なのは顧客理解である。その手法は決してこのやり方でなければならないというわけではない。しかし、大切なのは日々変化する顧客を正確に理解し、素早く、効率的に対応しなければならないということである。そのためには、顧客を正確に把握するための数値化はもちろんだが、何よりも顧客を知ろうとする努力が何よりも大切である。

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