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マーケティング課題にも「マッキンゼーの問題解決10則」が効く

マーケティング担当者は、常に問題と向き合ってその解決方法を考え続けるものである。なぜ、CVが上がらないのか?なぜ、既存顧客が離脱するのか?なぜ、新規顧客を獲得できないのか?など様々な課題を抱えている。しかし、時間は限られており、取り組めることも限られている。そのような中で課題に優先順位をつけることで対応する。しかし、各々の課題がいつもスムーズに解決できるわけでもなく、対処療法に留まってしまうことも少なくはない。分かってはいるが、本当の原因が分からないので本当に有効な施策にたどり着けないのだ。

そのような課題を感じている人は、マーケティング担当者に限らない。多くのビジネスマンは常に自分自身が直面している課題をどう解決するべきなのかを考えているようだ。実際、本屋に行くと「問題解決法」の書籍が山のように存在する。特にコンサルティング会社出身者が執筆した書籍が人気である。彼らコンサルティングファームは、様々な困難な問題を解決してきた企業であり、常に問題解決に取り組んでいる。だからこそ、彼らのメソッドや考え方を取り入れたいと考えるのだ。

この記事では、その問題解決法を詳しく説明はしないが、コンサルティング会社の中でも「マッキンゼーの問題解決10則」をご紹介したい。これは、マッキンゼー出身の名和さんの書籍「コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法」という書籍に書いてある内容だ。問題解決の基本をざっくりと理解してもらえればと思う。詳しくは上述の書籍を購入してもらえれば幸いである。

マッキンゼーの問題解決10則

(1)「問題」とされていることが、本質的な問題とは限らない。

多くの場合、担当者が問題だと思っていることは本質的な問題ではないためにいくら施策を実施しても効果が出てこないということがよくある。まず効果が出ない場合には施策の仕方と併せて、そもそも課題設定が間違っているのではないか?を考えるべきである。

(2)大きな視野(Big Picture)でとらえ直す。

近年はテクノロジーの進化によって様々なことがデータ化されるようになり、多くの人がデータに注目するようになった。しかし、問題や課題がデータに表れているわけではないし、データではとらえきれないからこそ問題になっていることもある。なので、視野を広げ様々な視点で考えることが大切だ。見えていないから問題なのだ。

(3)仮説から始める。

まずは仮説から始めることは重要だ。やみくもにデータ分析から始めることはあまりにも無駄が多い。仮説を立て、その仮説が成り立つかどうかデータを収集分析するという手順が必要である。そして、仮説を何度も作り直すという地味な作業によって本質に迫っていくことが出来る。

(4)漏れなくダブりなく(MECE)問題を構造化する。

マッキンゼーおなじみの(MECE)である。ポイントは、ダブりは多少あっても良いということと、漏れがないかを徹底して検討することである。ほとんどの場合、全く「ダブりなく」というのはない。どこかでダブりが発生してしまうものだ。それよりも問題は見えてない部分に隠されているので、「漏れがないか」は徹底すべきなのである。

(5)カギとなる変数(Key Driver)にフォーカスする。

上記のプロセスを経るとどこに本質的な問題なのかが見えてくる。つまり、チョークポイント(首を絞めているポイント)を特定するのだ。

(6)できるだけ簡素(シンプル)化する。

課題設定と問題解決までのプロセスを正直に説明しても理解することは難しい。出来る限りシンプルにすることで社内の理解を得ることができて、問題解決の施策が実際に動き出す。

(7)正しい答えはひとつではない。

どうしても一つの答えを求めがちだが、答えは一つではない。そのため、1つに絞り込まずに複数の可能性を検討すべきである。

(8)壊して、再構築する。

最初に立てた仮説が上手くいくことはない。何度も何度も仮説を再構築する作業を繰り返す。この作業が本質的な問題にたどり着くために大切な要素だ。

(9)ときに答えがふっと湧いてくる瞬間を大切にする。

有名な話かもしれないが、ふっと降りてくる瞬間がある。しかし、それは考えに考えているからこそ訪れる。苦しんで初めて降りてくるものだ。

(10)問題がないことが最大の問題。

問題がないということは成長余地はない。課題が沢山あるということは成長できる可能性がたくさんあるということである。それら課題を正しく解決していくことで成長していくことが出来る。

ざっくり問題解決の基本的な部分を記載した。特に(1)と(2)の課題設定の部分が最も重要である。ここを間違えるとその後のすべてが無駄になるかもしれない。多くの問題解決の書籍で言われているように正しい課題設定が出来れば問題の50%は解決されたようなものである。表面的な課題に飛びつかず、なぜそのようになっているのかを正しく考えることが最も大切である。

参考文献:コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法

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