2015
10.02

マーケティング戦略なしにMAを導入してはいけない

マーケティング

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マーケティングオートメーションという言葉を聞かない日はないというくらいだが、しかし、一方で「上手く活用できていない」ということも同じくらい毎日聞くような気がする。会う人会う人、マーケティングオートメーションは費用対効果が悪いだの意味がないだのネガティブなことを多く聞く。このままだと本当に「MAの屍」が出来上がるのだろうと実感している。今までマーケティングオートメーションに関わってきた人間として、この状況は好ましくないのは当然である。そして、同時になぜこのようなことになりつつあるのかについても何となくわかってきてもいるつもりである。なぜ、マーケティングオートメーションを活用できないのか?そのことについて書いてみたい。

上手くいかない原因は、私の経験上、「マーケティング戦略があいまい」もしくは「ない」ことであることがほとんどである。マーケティング戦略が定まっていないのであれば、MAの設定も定まらない。戦略→MA設定というどうしようもなく変えようのない順番があることを認識すべきであると私は考えている。これが出来ていないから、「単なるメール配信ツール」になってしまったり、「マーケティング業務の効率化になっただけで売上が上がったわけじゃない」とか言われるのである。マーケティングオートメーションは、単なるツールであり、それをどう使うのかによって大きな差が出来てしまうことを十分に認識すべきである。つまり、マーケティングをちゃんとやっているかどうかで差が出来るのである。

 

自社のマーケティング戦略って?

「人は誰かに言われたことには反応も行動もしない。だけど、自分で思い付いたり考えたことには素早く反応し行動する。」
これは以前、私のFacebookで思ったことをメモ的に書いた言葉であるが、マーケティングの基本的な部分を表現しているのではないかと思っている。マーケティングというのは、顧客に対して自社製品・サービスをアピールするものではない。マーケティングとは、顧客が自ら行動し、考えるために様々な施策を行うことをマーケティングというものだと思っている。昨今、マーケティングが出来ない会社は生き残れないと言われるのは、これまでのプッシュ的な方法が効果がなくなってきているからに他ならない。だから、マーケティング部門は顧客が自ら行動したり、考えてもらうための環境・雰囲気・空気感を創り出そうと懸命に努力する。製品であったり、デザインであったり、コピーライティングだったり、接客だったり、店舗だったり、口コミだったり、広告を使って何とか顧客が自社にとって有益な反応や行動を取ってもらおうと努力する。マーケティングはあくまで環境・雰囲気・空気感を創り出すだけで、人々に何かを強制するものでもアピールするものでもない。自らすすんで特定の反応と行動を引き起こさせるためのものである。そのための戦略がマーケティング戦略である。その戦略に沿ってマーケティングオートメーションは活用すべきなのである。

 

マーケティングオートメーションとはどんなツール?

では、マーケティングオートメーションとはどんなツールであろう?優良見込客を抽出し、各々の特徴に適したメールを送信し、ナーチャリング(育成)し、見込度が高まったら営業に渡すためのツールである。私はマーケティングオートメーションは、マーケターが使うツールであると考えている。当たり前だが。マーケターが使うツールなのであれば、マーケティングを実施するためのツールなはずである。そして、マーケティングとは顧客が自ら主体的に行動するための様々な要素を提供するものである。なのであれば、マーケティングオートメーションは、顧客が自ら主体的に行動するための要素を提供するためのツールなのである。例えば、優良見込客とそうでない見込客をそれぞれ分類して、それぞれの顧客が主体的に期待する行動をとってもらうためのメールを送信して育成していくのがマーケティングオートメーションなのである。

 

マーケティングオートメーションはマーケティング戦略を実施するためのツールである。

どのようにして購入してもらうのか、どんなステップを踏んで購入まで至らせるのかを考えるのが、ナーチャリングでありマーケティングである。だから、スコアリングが上手くいくということは、マーケティング戦略が上手くいっているということであり、マーケティング戦略があるからスコアリングが出来るということである。シナリオ設計についても同じだ。適切なタイミングで適切なチャネルを使って適切なコンテンツを伝えるのであれば、その「適切とは何か?」を知っていなければならない。それは企業によって違う。つまり、マーケティング戦略によって違うということだ。自社が行っている施策が適切なタイミングなのか、適切なコンテンツなのかは、誰がどんな状態になってほしいのか、どのようなプロセスを経るのかというマーケティングによって異なるということである。

マーケティングオートメーションは、今まで出来なかった環境づくりを実現することが出来るツールである。だからこそ、マーケターはその点について常に意識しておく必要がある。多くのことは実は今までのツールでもできるようなことが多い。マーケティングオートメーションだからこそ出来ることを明確にすべきであり、そして、導入により大きなメリットが生まれるようにしなければならないのである。マーケティングオートメーションを導入する際には、マーケティングオートメーションで何がしたいのか、それによって今までにないどんなことが出来るのかということを明確化することはもちろんのこと、それが出来ることによってどれだけの効果を得られるのかについて明確にしておかなければならない。それを怠るからうまく活用できないのである。成功する企業は、今までに出来なかったことをすることで顧客に自ら主体的に考え、行動させることに成功した企業である。

だから、企業によってはマーケティングオートメーションを入れたからといって良くならないところも絶対にあるはずである。マーケティング戦略の考え方に合わないということもあるだろう。そうなるのは当然なことであり、もし合わないと分かれば導入すべきではないのである。マーケティングオートメーションは単なるツールであって、使う人によって大きな差が生まれる。合う合わないがあるのは当然のことであることを十分に認識しておくべきである。そして、今の日本の状況はそのような合う合わないということではなく、マーケティング戦略がないということがほとんどなのである。だから、マーケティング戦略をきちんとやってくれる会社と組むことで今の現状は大きく改善するものと考えている。