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「裁判の判決文」を使って論理的思考能力を鍛える方法。

論理的思考能力を鍛えたいと考えているマーケティング担当者は多いと思う。それもそのはず、論理的思考能力はマーケティング業務を遂行する上で非常に大切な能力の1つだからだ。

マーケティングの仕事は、一人では何もできない。そのため、多くの人を巻き込んで初めて実行に移せるものだ。その巻き込む人の中には、会社の財布を握っている人もいれば、デザインという感覚的な制作に関わる人まで様々な人がいる。そんな色々な考え方と感性を持っている専門家たちを動かし、行きたい方向に会社を向かわせるのがマーケティングの醍醐味の1つでもある。

多くの人を動かしてマーケティングを実行に移すためには、不規則で法則性のないように見える顧客を分かりやすく整理し、どんな人でも同じように理解し、各専門家がすべきことが明確になるようなマーケティング企画が必要になる。私たちがどんな顧客をターゲットとすべきであり、どのような手段が有効なのか?どれはどのくらいの金額が必要で、どの位の成果を期待できるのか?といった説明が出来なければ人は動かない。何となくこんな感じの人に、多めの予算を使いたいと言われても、人は積極的に動くこともなければ、能力を発揮することも出来ない。

ほとんどの人は、一生懸命に仕事をしてくれるだろうが、マーケティングの企画が曖昧では、各専門家が考える方向性がバラバラになり、全体としてはチグハグな非効果的な施策になってしまう。このような事態を避けるためにも、マーケティング担当者には論理的思考能力は非常に大切なスキルとなるのだ。

ここまでは、多くの人が同意してくれるのではないかと思う。しかし、多くの人は「では、どうすれば論理的思考能力を鍛えることが出来るのか?」と思うはずだ。なぜなら、今、多くの書籍に掲載されている論理的思考能力を鍛える方法は、フレームワークを提示しているだけであり、実際の仕事に使えるようになるような訓練にはならないことが多いからだ。単なる知識として身に付けることが出来ても、論理的思考能力は使わなければ上達することはない。そのことを多くの人が実感していて、論理的思考能力を強化するという類の書籍に対して批判的な目を向けるようになるのだ。

そこで、今回はより実践的な方法を紹介したいと思う。皆さんが既に気づいているように実際に考えなければ論理的思考能力は鍛えることが出来ない。そのため、訓練のための材料が豊富にあり、考えること自体が面白そうと思えなければならないわけだが、その2つの条件に合致しているのが「裁判の判決文」である。「裁判の判決文」は言わずもがな、論理的である。というより、論理的でなければならない。何となく無罪ではマズイのである。多くの人が出来る限り納得できるような判決をしなければならない。そのため、裁判の判決文を使うことは非常に効果的であると考えられるのだ。

そして、ここでのトレーニングのポイントは「裁判の判決文」を読んで、ピラミッドストラクチャー化することだ。論理的である裁判の判決文から要素を抽出し、整理するのだ。そして、それをどのように構成して、どのような結論を導き出したのかを図解するのである。つまり、判決文の論理構造を解明するのだ。人の作った文章の論理構造を解明することは論理的思考力を鍛えるのに非常に役に立つ。

しかし、それだけでは終わってはいけない。次に図解化したピラミッドを文章化してみるのである。つまり、各要素に記載されている内容を材料にして文脈を作り出し、読み手に論理的構造を想起させるようなまとまりのある文章にするのだ。この際、気を付けるべきことは、元の判決文に近づけようとするのではなく、ピラミッドストラクチャーの要素だけをもとにして文章を考えることだ。この訓練は、1つの結論を違う文章によっても成り立つことを教えてくれる。そして、この訓練は、論理構造を組み替える訓練でもある。そのため、論理的思考能力が磨かれるのである。この文章→図解 図解→文章というプロセスを繰り返して欲しいのだ。

マーケティングにおいて、正解はない。同じような結果でも、そのゴールにたどり着くまでのプロセスは千差万別である。どのプロセスをたどっても良いのであり、自社が最も適したプロセスを見つけ出せばよいのだ。つまり、ゴールに到達するための自社にとって最も適したプロセスを、要素を組み替える(論理構造を組み替える)ことで実現するのである。

ぜひとも、トライしてみてはいかがであろうか。判決文はネットで閲覧できる。

参考文献:「論理的思考のコアスキル」

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