マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

いきなりステーキが復活するには何が必要なのか?

いきなりステーキが低迷しているニュースは色々なところで聞かれますが、私自身も色々と考えてみたのでそれを記載したいと思います。

いきなりステーキが低迷している原因としてあげられているのは下記の2点のようです。

1)商品の値上げ
2)多店舗出店によるカニバリ

世間一般のニュースを見る限り、上記2つの原因によって売上・利益・客足が減少しているということだそうです。この「低迷」を私なりに定義すると、いきなりステーキの「低迷」というのは「商品の値上げ」によって売上及び客足が減少し、「カニバリ」によって利益の減少が起こったということでしょう。カニバリによって客足が減少したと言っている人がいますがそれは一店舗単位で見たときの話であり、全体から見れば客足が減少するということはあまりありません。カニバリによって減少するのは利益です。店舗が増加することによってコストが増加する割には全体の客は変わっていない状態で店舗数が増えるので一店舗当たりの客数が減ることで利益が減少するのです。

よって、売上と客足が減少したのは「値上げ」が主な原因と考えられ、利益が減少したのは「カニバリ」が主な原因と整理することが出来ます。

しかし、今回の報道を見ていていくつか気になったのは、値段を上げたことが現在の低迷につながっているという指摘です。よくよく読んでみると値上げし始めたのは2017年からです。2017年や2018年の値上げが現在の低迷につながっているというのはどうもしっくりこなかったのです。値上げという行為は売上や利益・客数にすぐに反映されます。もし、本当に値上げが客数や売上の減少が原因なのであれば、2018年にもっと大きなニュースになっても良いはずなのです。なので、いくつか実際に調べて見ることにしました。

「株式会社ペッパーフードサービス
2019年12月期第2四半期決算説明会」資料より
「株式会社ペッパーフードサービス
2019年12月期第2四半期決算説明会」資料より
「株式会社ペッパーフードサービス
2019年12月期第2四半期決算説明会」資料より

上記の資料から読み取れるのは下記のようなことです。

・売上は2018年比では増加している
・利益は2018年比では減少している
・既存店よりも既存店舗の売上は微減・全店舗では売上が大きく減少
 つまり、新規店舗が大きく失敗しているということである。
・また、全体的に客数が減少している。

まず売上が2018年比では増加している点ですが、店舗数が増え既存店では大きな減少は見られず、逆に新規店舗の売上が悪化している点を考えると新規出店による新しい顧客の獲得によって得られた売上によって成り立っていると思われます。次に利益が減少している点は、新規出店によるコストが増加した割に期待した売上があげられていないことが原因でしょう。つまりは、これだけの出店をしている以上、本来であればさらに売上が必要だったにも関わらず、それを達成できずにいるために利益が減少していると考えられます。

次に、全体的な客数の減少についてです。月次で見てみると毎月のように減少していることが分かります。これも売上に影響していることは間違いないですが、正直なところ、この現象の方が大きな問題だと考えられます。というのも、新規出店の店舗の失敗に関しての原因はニーズや商圏の見誤りとして考えられるので新規出店を控えたり、不採算店舗を精算することで利益は向上していくと考えられますが、この全体としての客数の減少というのは「いきなりステーキ」自体の魅力の減少を意味しているからです。

もちろん、値上げしたことも原因の1つでしょう。2017年に値上げを開始してから毎月のように客数が減少していることを見ると徐々に影響が出てきたと言えます。しかし、ここまで長期的に徐々に継続的に減少していくのは値上げだけではないと考えたほうが良いでしょう。いずれにせよ、「いきなりステーキ」の低迷は、新規出店施策の失敗により利益が大きく失われたことと、全体的な「いきなりステーキ」への魅力の減少が引き起こしていることは明らかです。

そのため、「いきなりステーキ」が最重要課題として取り組むべきことは「いきなりステーキ」の魅力の再開発であることは間違いありません。

さて、そもそも「いきなりステーキ」が好調であったときはどのような環境下にあったのか確認してみましょう。2015年当初は肉が女性にも受け入れられ、それまでの不健康なイメージがなくなりつつあった時期と重なります。そのような顧客の変化に「安く良い肉を提供する」いきなりステーキは見事に受けたのだと考えられます。

しかし、現在においてはそのようなブームと言われた時期は落ち着いていると言えます。また、値上げによってもはや安いとは決して言えない値段になってしまった「いきなりステーキ」はそこらへんにあるステーキハウスと大きな違いがなくなってしまったと言えるのかもしれません。あまり、経営方針のことを言いたくはないのですが、経営者としての最初の志を失ってしまったことが引き金になっているような気がします。

いきなりステーキが実施すべき施策は下記の4つでしょう。
1:不採算店舗の生産
2:店舗運営のコスト削減の推進
3:新規出店店舗の抑制と厳格化
4:新規顧客の獲得

1~3については、以前の状態に戻しかつより効率的な運営にしていくという当然やるべきことです。しかし、4の新規顧客の獲得は一筋縄ではいかないでしょう。特にいきなりステーキはサラリーマンを顧客の中心として売上を伸ばしてきたわけですが、積極的な店舗展開によって分かったことは意外と市場ボリュームが少ないことではないでしょうか?サラリーマンの財布事情が良くならないばかりか、サラリーマン自体が今後減少していくことを考えれば新規出店はあまりにも無謀だったと考えられます。

そのため、いきなりステーキがさらに顧客数を伸ばしたいのであれば、サラリーマンのリピーター育成以外にも女性客やシニア客など取り込む施策が必要になってくることは間違いないと考えられます。立ち食いを基本とする店舗形式は、このような新しい顧客を取り組むときにネックになるかもしれません。もし、このままサラリーマンをターゲットとしてやるのであれば、市場ボリュームと取り込める限界をもっと正確に計算しなければならないでしょう。しかし、その場合は大きな売上の向上は見込めないと考えるべきです。

もし、さらなる売上を上げたいのであれば店舗形式を女性やシニア層にも広げる店舗を実験的にでも実現すべきかもしれません。特に値上げによって高価になってしまった以上お金を持っているのはシニアくらいしかいません。シニアや女性向けにボリュームと金額を抑えた店舗を開発して見ることが良いのではないでしょうか。おそらく、都心ではこれ以上出店したところでカニバリを発生させるだけでしょう。どうせ郊外に出店するのであれば、主婦やシニア向けの店舗にするべきなのではないでしょうか。郊外では、立ち食いではなく座って食べられるようにすることと、金額を抑えることは必須でしょう。

また、もし「いきなりステーキ」が寿司のように日本にステーキ文化を根付かせると本気で考えているのであれば、もっと肉を健康食として位置づけるような活動も必要だと考えられます。肉は豊富なたんぱく質を含んだ食品であり、実際欧州では赤身肉は健康食だと思っている人も多い食品です。さらに、肉のたんぱく質はホルモン分泌に必須の要素であり、やる気や意欲を高めるための材料としても知られています。現代社会のストレスフルな環境には肉という食品は非常に大切なものであることを十分に理解してもらえるのです。そのような活動も併せて実施していかなければステーキを日常食として受け入れてもらうことは難しいと思います。

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