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良いマーケティング戦略は良い情報から生まれる。

マーケティング担当者が関わる仕事は非常に多岐にわたる。戦略・戦術の立案などの業務もあれば、施策の実行もある。そして、分析などの業務も重要であろう。しかし、それらの業務をまんべんなくこなしていればマーケティング成果が向上するわけではない。

マーケティング業務において最も付加価値の高い業務とは何か?それは戦略や企画部分が最も付加価値のある業務であろう。なぜなら、施策の実行や分析というのは、そもそも戦略次第で良くも悪くもなるからだ。戦略が良ければ施策の実行も上手くいく可能性は高いし、分析も尺度が明確になり良い分析が出来る。しかし、戦略が悪ければ、どんなに施策の実行が上手くいっても成果は上がらない。これは当然のことである。

だから、多くのマーケティング担当者は戦略や戦術の立案に多くの時間を使おうとするのだ。10分で考えた戦略よりも100時間考えた戦略の方が成果が出やすくなるからである。しかし、本当にそうなのだろうか?と思う人もいるだろう。100時間戦略を考えたからといって、決して良い戦略が立案できる保証はないからだ。一方で、10分しか戦略は考えなくても良い戦略になることも実感値として大いにあり得ることを多くの人が知っている。

そもそも良い戦略というものはどんなものなのだろうか?これまで私が考えてきた戦略を思い浮かべてみると、良い戦略だったのは適切な情報によって構築した戦略であるような気がする。一方で、悪い戦略だったなというものは、今思えば質の悪い情報をもとに構築した戦略であったと感じるのだ。

戦略とは、ある目的に対して自分たちの持っている資産を最も効率的かつ効果的に活用するための方法論である。10キロ先のゴール地点に可能な限り早く到着するために、自分の体力を最も効果的かつ効率的な使い方を考えるのが戦略である。そして、上り坂では少し体力を温存し、2キロごとに補給するなどすることを考えるのである。

そのような中で情報は非常に重要な要素となる。例えば、過去に10キロを走ったことがあり、どんなコースをどのくらいのタイムで走ったのか?どこで遅くてどこで早かったのかなどの情報があれば、よい戦略に近づくことが出来る。どこに弱点があり、どうすれば弱点を補うことが出来るのか?を考え、強みを生かすことで過去の記録よりも早いタイムを記録することが出来るからだ。

しかし、全く10キロを走ったこともなく、どの位の体力があるのか分からない場合はどうだろうか?かなり難しい状態であることは容易に想像することが出来るだろう。情報がなければ戦略は立てられない。なので、まず3キロくらい走ってみて情報を集め、その数字をもとに戦略を立てるのだ。しかし、それはあくまで3キロ走った情報であり、3キロ以上走ったときに一体どうなるのかはまったく分からない。戦略を立てることは出来てもその戦略はとても信用できるレベルのものではなくなるのだ。

マーケティング担当者の多くは、戦略を考える時間が欲しいという。しかし、良い戦略を考える人は決して時間をかければ良い戦略が出来るわけではないことを知っている。なぜなら、戦略は質の高い情報によって構築されるものであり、情報もなしに戦略を100時間考え続けても良い戦略は出来ないからだ。

実は、良い戦略を生み出すマーケティング担当者ほど、施策の実行を沢山するものだ。100%のうち大部分を施策の実行に費やす人がいる。一見、普通のマーケティング担当者だと思うかもしれないが、そうではない。単純に施策を実行しているのではなく、施策の実行から良い情報を集めているのである。そこが大きな違いなのだ。良い戦略を作る人は、施策の実行をしながら顧客の反応を見ている。そのような生の反応から情報を得ているのだ。数字を分析することとは違うのだ。

数字を分析することは、良い戦略を作る人にとっては、施策の実行によって得られた生の情報を裏付けするものでしかないのだ。良い戦略を生み出すマーケティング担当者は、それら生の良い情報を集め十分に集まった上で戦略を考えるのだ。だからこそ、戦略を考える時間は少ない。というより、少なくて十分なのだ。

一方で、戦略を考える時間がないから良い戦略を作れないという人は、施策の実行をしているだけである。言い換えれば、施策の実行を滞りなく進めることだけを考えている。そのような人は、進行管理をしているのであり、意識は社内や取引先にしか向いていない。施策の実行が終われば、どっと疲れが出るだけだ。施策の実行が終わった時、次に何をしようと思っていないのであればよい戦略を考えられない人である可能性が高い。

良い戦略は考えれば生まれるものではない。良い情報から良い戦略は生まれるのである。だから、戦略を考える時間がないというのではなく、良い戦略を立案したければ施策の実行から生の情報をどんどん吸収していく意識をもっと持つべきなのである。

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