マーケティングにかけられる予算が少なくて、マーケティングオートメーション(MA)を導入したくても出来ないとお悩みの方や試験的にMA導入をして検討したいという方も多くいるでしょう。そんな方には、ぜひ無料MAの「mautic」をおすすめしたいと思います。
「mautic」とは?
mauticとは、完全無料のマーケティングオートメーションツールです。リード数やページビューによって課金されることもありません。また、mauticはオンプレミスとクラウドのどちらでも利用できるツールです。多くのMAツールは、クラウドでしか利用できないため、社内セキュリティポリシーによってはMA導入ができないことがあります。さらに、mauticはオープンソースであるためソースコードを修正してカスタマイズすることも可能です。
「mauticの機能」は他MAと何が違うか?
mauticは無料ですが、十分なMA機能を備えています。無料だから一部機能しか使えないということは基本的にはないと思って大丈夫です。mauticの機能は下記の通り一般的なMAの機能を有しています。
・トラッキング
・スコアリング
・キャンペーン
・Eメール
・フォーム
・ソーシャル
・リードマネジメント
・レポート
◇最大の特徴:メールアドレスを取得するための機能
通常のMAの場合、メールアドレスを取得できていない訪問者に対しては多くの施策を実施できないのが実情です。普通のMAではメールアドレスを取得した人を対象にして、各々の属性や行動によってセグメントし、最適化した施策を実施します。しかし、mauticの場合は、それだけでなく、メールアドレスを取得するための施策も実施することができます。
例えば、特定のページを閲覧している人にクーポンページへのPOP画面を2分後に表示させて購入を促したり、ページ下部までスクロールしたら、さらに詳細な説明をしたページへのリンクのPOP画面を表示させることなどが可能です。POP画面の種類/表示場所/表示するタイミングを複数選択することができるので目的に沿った施策を細かく設定することができます。そして、これらの施策はメールアドレスを取得しているいないに関わらず実行されるため、Webサイト上でナーチャリングするために効果的に利用することができると考えられます。
◇メールアドレス獲得のコストを削減
一般的なMAだと、メールアドレス取得前の訪問者にはコンテンツを出し分けたりする施策を実施できないため、MA単体ではメールアドレスを取得するというMA運用の大前提を解決することができません。そのため、リスティング広告など追加で予算が必要になります。しかし、mauticであればメールアドレス取得前の施策の一部をカバー出来るため、大きな追加予算がなくてもマーケティングを実施することが可能です。試験的に導入してみたものの、十分なメールアドレスが獲得できず検証が出来ないといったことは極力避けることができるでしょう。
「mautic」の限界
ここまでmauticの良いところばかり書いてきましたが、もちろん、普通のMAと比べれば限界もあります。現状、mauticは通常のMAと比べると設定の幅は広くありません。例えば、キャンペーン機能でも普通のMAであれば特定のページを1週間以内に10回訪問している人を抽出して施策を実行することが出来ますが、mauticの場合、特定のページを閲覧した人を抽出できても期間と回数までは設定することができません。
無料ということで機能的には通常のMAには及ばない部分はどうしてもありますが、しかし、無料でMAの機能をほぼ網羅しているという意味ではコストをかけられない、試験的に導入したいという企業にとっては非常に素晴らしいツールと言えるでしょう。
「mautic」はこんな会社におすすめ
上記の特徴を踏まえ、mauticは「コンテンツが幅広く充実していているにも関わらず、上手くリードを獲得できていない企業 」に有益であると考えられます。mauticの「メールアドレスを取得するための機能」を利用するほかにも、コンテンツそのものも改良する必要もありますが、mauticを利用することで閲覧者に対して効果的に自社を伝えることができるようになるでしょう。そして、メールアドレスを取得した後にも、購買までのナーチャリングを実施するという一気通貫した施策を実施することが可能になります。