マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

顧客の変化を敏感に感じ取れないのなら、マーケティングは辞めたほうがいい。

人間は常に一定の感情や感覚・価値観を持ち続けるわけではない。人間は常に変化しているものであると私は考えている。今日ある2つのニュースが目に入った。そのニュースは、まさに人間はこの現代においても変化していることを思い知らせてくれるニュースだった。今回は、このニュースを解説した上で、共通する点を抜き出しマーケティングの重要性について考えてみたい。

1つは「インスタグラムが「いいね」を無くすニュース」。もう一つは「イベントの需要が増えてきている」というニュースだ。一見、何の関係もなさそうなニュースであるが、読んでみると人間の変化を感じることが出来る。

「インスタグラムが「いいね」を無くす」というは、なかなか興味深い。「いいね」を競い合う場所から本来の場所になって欲しいという企業側の強い気持ちが伝わってくるニュースだ。実際、インスタグラムのユーザーは「いいね数」が見れない「ストーリー」の利用が多くなってきており、そこにユーザーの気持ちの変化を企業は敏感に感じ取っているのだろう。

当初こそ、「いいね」があることで自分の欲求を満たすことが出来ていたものが、いつの間にか「いいね」が負担に感じるようになってきたということである。「いいね」があることで自分がいいなと思ったことを投稿するのではなく、「いいね」をもらいやすい投稿をするようになることで、本来の楽しみ方が失われつつあるということだ。

いわば、揺り戻しが起こっているのだ。行き過ぎた自己承認欲求によって本来の自分が失われる前に、本来の自分に戻ろうとする行動が起きているのである。

もう一つのニュースは「イベントの需要が増えてきている」というニュースだ。詳細を読んでみると実に面白い記事であった。近年、イベントの需要が増えてきているのは、ネット上の付き合いやネットでの知識の習得ではなく、リアルな場所で実際に人と会って学びたいという人が増えてきたからだという。そして、その理由をイベントプロデューサーは「寂しいから」と解説しているのだ。

ネットであれば様々な情報を収集することは出来る。そして、それを好きなだけ消費することが出来る。しかし、人間というのは、自分の得たものを他人と共有したくなる動物的な本能も備わっているがために、今まさに、その本能が呼び起こされているという趣旨のことを言っている記事であった。

過去に「プリンス」の小規模な音楽イベントに100名以上の人が集まった時などは、誰ともプリンスの良さを共有できないことへの不満を持った人がこんなにもいるのか!と驚いたという。それと同じように、ネット社会になったことでリアルな場所で自分の好きなことを共有することが出来ないという不満を持つ人が増えた結果として、イベントの需要が増えてきているというのだ。

これも、揺り戻しが起こっていると考えることが出来る。ネット社会になった頃であれば、好きなだけ自分の好きなことに熱中することがが大きな魅力であった。しかし、その結果として、人とのリアルな場所での共有の機会を多くの人が失っていたのである。そのことに、多くの人が気づき、リアルな場所に時間を割いて出向くようになったのである。

マクルーハンは、社会に何か新しいものやことが登場することにより、「強化されるもの」と「衰退するもの」が生まれると説いた。今回紹介したニュースで言えば、「いいね」によって「自己承認欲求」が強化された一方で、「本音」は衰退した。また、ネットの普及によって「情報量」が強化される一方で、「共有・共感」が衰退していったのある。

私たちが生きているこの世界には、次々に新しいものやことが生まれ続けている。そして、それらは人間を変化せしめているのである。そして、多くの場合、人はどこかでバランスを取ろうとする。そして、これこそが人間の本能的な性質と言えるのではないだろうか。何かが急激に流行した後は、あの流行は何だったのか?と思うような逆の現象が起きたりするのはまさに人間の性質である。

このような人間の性質を、マーケティング担当者は見逃してはいけない。人が大きく変化していることをキャッチしたとき、その流れに乗ると同時に、次にどのようなことが起きるのかを予測することが出来るからだ。

このような世界において、成功する企業というのは、顧客の変化を敏感に察知し、即座に適用することのできる企業である。小さな変化ではなく、自社にとって重要な変化を見逃さない企業であれば、継続的な拡大を続けていくことが出来る。もちろん、それができる企業は少ないが、少ないからこそ大きな成長が可能になる。

そして、その大きな成長のための根幹になるのは、マーケティングであることに何の疑いもないはずだ。マーケティングは、顧客が今、何を求めているのか?そして、どのような戦略で取り組むべきかを考える役割である。この人間の性質を理解することで、次の次までを考えた戦略をストーリーを考えることが出来るはずだ。マーケティングの優れた会社こそが、顧客の変化に敏感に気づき、変化していくことのできる企業であることは間違いないことである。

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