マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

既存顧客へ注力するマーケティングの弊害とは。

既存顧客を維持する方が費用対効果が良いという話がある。新規顧客は興味のない人を振り向かせるところからスタートしなければならず、大変な割には思うような成果がない。しかし、既存顧客は既に自社の製品サービスを購入したことのある人なので既に自社に対して一定の評価があり、再度購入してもらうことは比較的楽であるという考え方だ。

さらに、最近ではデータ活用が進む中で既存顧客と似た顧客を探し出すことが出来るような考え方があり、活用している企業があるという。既存顧客をよく知ることで優良な新規顧客も獲得出来るかもしれないというわけだ。どうせ頑張っても振り向いてくれない人なんかを相手にするのは時間とお金の無駄というわけである。

それらが原因なのか分からないが、今多くの企業が既存顧客に注目している。既存顧客はどこからやってきてどのような検討をしてどのように購入したのか?そして、どうすれば今後も良好な関係を継続することが出来るのか?を考える。CRMを導入し顧客の購買履歴やふるまいをデータで取得し、分析するようになった。

しかし、一方でそれでは売上の拡大にはつながらないという考え方もある。既存顧客に多くの企業資産を投入することは必然的に新規顧客獲得が手薄になるということである。そのため、既存顧客に集中することで新規顧客が減少する企業も実際ある。既存企業を相手にすることで既存顧客が新規顧客を連れて来てくれる効果や既存顧客がさらに購入金額を増加してくれることを期待しても、企業や商品サービスの特徴によっては既存顧客に注力しても効果がないこともあるからだ。

さらに、既存顧客に企業資産を多く投入することで、本来であれば獲得出来る可能性のある顧客を取り逃すということもある。どういうことかというと、既存顧客の声を聴いてばかりいるとどんどん視野が狭くなっていく。現時点で顧客になっている人たちの声は市場の一部の声であり、他にも不満や課題を持っている顧客は様々に存在する。しかし、それらの不満や課題は企業の売上増加の源泉とも言える。つまり、既存顧客に注力し過ぎることで、それらの可能性を自ら捨ててしまう可能性があるのだ。

この分かりやすい事例として挙げられるのがソニーのプレイステーションと任天堂のWiiである。プレイステーションはご存知の通り、ゲーマーにフォーカスした商品である。いわばこれまでも自社のゲームを楽しんでくれてきた既存顧客をターゲットとした商品であった。そのため、ゲームの難易度も上がり本格的に楽しむ人でなければ魅力的に感じない商品になってしまった。さらに、ゲームソフトが人気シリーズに集中したことで、初版をプレイしたことのない人はそれ以降のシーズンは購入されなくなりプレイステーションの人気はさらに落ち込んでいったのだ。ソニーにはゲーマーを満足させることが出来る高度な技術があったからこその戦略であったが、その技術を既存顧客のニーズを満たすことに集中し過ぎたことで自ら大きな可能性をつぶしてしまったのだ。

一方で、任天堂はターゲット層を3歳~70歳に設定した。ゲームが一部のマニアのものになりつつあったときに、その流れに乗れなかった非常に多くのボリュームを持つ市場にターゲットを設定したのだ。そして、そんな彼らが簡単に楽しくさらにみんなで楽しめるゲーム機としてwiiを発売して成功したのだ。任天堂には、ソニーのような技術力がなかったからこそボリュームの大きい市場へ視点を向けさせたのかもしれない。

しかし、いずれにせよ既存顧客に集中することで本来であれば獲得出来るかもしれない顧客を取り逃す可能性があることがあるということをマーケティング担当者であれば十分に認識すべきである。世の中が既存顧客を大事にするようになったから、自社でも既存顧客を重視すべきという考えをする企業は存在しない。しかし、自社がどれだけの可能性を秘めた市場と向き合っているのかを正確に知っている企業は多くないのではないだろうか。結局は、自社を知り、顧客を知り、競合を知ることが大切なのである。

マーケティングの役割は、既存顧客から継続的に売上をあげることも一つの役割であるが、それは本当に小さな役割である。既存顧客は売上・利益の大幅な増加は期待できない。マーケティングの最も大きい役割は自社の資産や市場を見る視点を変え、価値を創出し市場を創出することである。その創出から売上・利益は大きく増加するのだ。

参考文献:「問題解決と価値創造の全技法」「マーケティングリフレーミング」

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