マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

「嫌われる顧客」を明確にすることでマーケティングは上手くいく。

マーケティングの教科書の多くでは、セグメントしターゲットを決めるべきだという。その特定したターゲットに対してマーケティングミックスを展開することで顧客を獲得することが出来るという。

しかし、マーケティングは人間によって行われるため、どうしても「嫌われたくない」という意志が働く。自身では意識していなくても「嫌われることはダメなこと」ということを多くの人と共有できるために、いつの間にか「可能な限り広い範囲の人に気に入られるようにする」施策になっていることが多い。いつの間にか、セグメントとターゲットがなおざりになってしまう。

しかし、そのような「広い範囲の人に気に入られようとする行為」は、「広い範囲の人に気に入られない結果」を招く。このことについては、特に説明する必要もないだろう。

また、「ターゲットを明確にしている」と主張する企業であっても、実際には明確になっていない場合が非常に多い。20代のサラリーマン・OLをターゲットにしているなどがその類だ。このようなざっくりとしたターゲティングの何がいけないのか?一つの理由は、もちろん、20代のサラリーマン・OLといっても皆同じではないからだ。そのような多種多様な人が混ざり合う人を一括りにしたところで、広い範囲の人に気に入られようとすることと何も変わらない。

多くのマーケティング担当者が、ターゲットをどこまで明確化するべきなのか?と悩んでいるようである。マーケティングの教科書には、「可能な限り具体的に記述できるようにしよう」くらいにしか書かれていない。また、別の教科書にはペルソナを作れば良いなどと書いてある。(ここで言うペルソナは「簡易ペルソナ」のことだ。顧客を想像で規定する行為のことである)しかし、想像で作ったペルソナに効果的なものは生まれにくい。(もちろん、何年にも渡ってデータ検証をしていくのであれば話は別だが)

このような時、1つ参考になる考え方がある。それが「嫌われる顧客を定義すること」である。そもそもであるが、セグメントしてターゲットを絞り込む行為は「嫌われる顧客」つまりは「その製品サービスに魅力に感じない顧客」を定義することと同じである。自社製品サービスに価値を感じてくれる人を決める行為によって、価値を感じない顧客がおのずと定義できるはずだ。

もし、魅力を感じない顧客を定義できないのであればそれはターゲティングが十分ではないということだ。もしかすると、「20代のサラリーマン・OLをターゲットにする場合であれば、30代・40代が嫌われる顧客じゃないのか?」と思うかもしれないが、あなたの会社の製品は30代になったら嫌いになるような製品サービスなのかよく考えてみて欲しい。きっと、30代にも好きになるような製品サービスのはずだ。そのため、20代のサラリーマン・OLに絞ってしまう行為は、自ら売上を下げるようなターゲティングになる。そのようなターゲティングが正しいはずがない。

ターゲットが明確な企業のマーケティングは、「嫌われる顧客」も明確である。例えば、スターバックスはタバコは吸えない。この施策は、明らかに喫煙者からは嫌われる。しかし、そのことによって「第3の場所」というコンセプトを確実にターゲットに提供できるようになる。また、スポーツジムのカーブスは特に米国で成長している企業だが、創業者は「カーブスから3つMを排除した」といっている。「鏡(mirror)」「化粧(make-up)」「男性(men)」の3つだ。誰かの目を気にしてお化粧してジムに行ったり、鏡越しに汗を流す姿を見られることなく、気軽に運動を自分のペースで楽しむことが出来る場所を提供している。つまりは、女性専用ジムということだが、ターゲットを明確にすることにより、これまでのジムに対しての不満を持っていた女性を確実に獲得するに至っている。

繰り返すが、「嫌われる顧客」を作るということは、それだけターゲットとする顧客を明確化しているということだ。それだけ明確に出来れば、いつ・何を・どのように伝えていくべきなのかも明確になる。だからこそ、ターゲット顧客を満足させることが出来る。

さらに、「嫌われる顧客」が明確になることで、これまで獲得出来なかった顧客を獲得できる可能性もある。嫌われる顧客を想定することで、より尖ったコンセプトや思い切った施策を実行することが出来るようになる。だからこそ、これまで振り向てくれなかった顧客が振り向いてくれるようになる。中途半端にマーケティングを実施するよりもよっぽど良い結果が得られるはずだ。

あなたの会社の製品サービスを好まない人・嫌いになる人はどんな人ですか?もし、答えられないのであれば、もう一度ターゲティングをやり直ししたほうが良いかもしれません。

参考文献:「ストーリーとしての競争戦略」

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