マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

顧客の変化に迅速に対応するマーケティングに必要なこと

顧客の変化を捉え、そしてすぐに対応していくことがマーケティングの役割の1つだ。 しかし、そのための仕組みはそう簡単に構築することは出来ない。

通常企業では、マーケティング施策に微調整を加えていくに当たっては一定の決まったプロセスを踏まなければならない。調査・課題抽出・企画・プレゼン・承認・予算獲得・実施・確認と多くの時間と手間が必要となる。そのようなプロセスの前に多くのマーケティング担当者は、二の足を踏む。このような社内プロセスがマーケティング施策の最適化のスピードを鈍化させるのだ。しかし、このスピード感のなさは近年の顧客の変化のスピードに対応できないことを意味する。

このような顧客の変化にすぐに対応するために参考になる企業がある。グリーンファームという農作物の直売所を運営する長野県にある企業である。この直売所には、年間50万人が訪れ10億円(年間)を売り上げる。小売の専門家によれば非常に立地条件が悪いところで当初絶対に失敗すると言われたくらい何もないところに位置している。何がグリーンファームをそこまで人気の直売所にしたのだろうか?その要因を探ることで顧客の変化に合わせて企業も変化するためのヒントがある。

彼らの取り組みは非常にユニークである。グリーンファーム(直売所)に農作物を陳列するためには、登録するだけで登録料もない。売上の20%を差し引かれた分が売上になるだけである。さらに、商品を陳列するのは朝7時~夜7時のいつでもOK。商品は何をおいても基本的にはOK。さらに販売価格の設定も生産者が勝手に決めることが出来るのだ。

通常であれば、商品を棚に陳列するのは開店する前までに完了しなければならず、開店したら商品をその日は陳列することは出来ないのが普通だ。そして、どんなものでも売ってもよいというわけでもなく、販売価格も制限があるのが普通だ。マーケティング担当者であれば、直売所のコンセプトを作成し、それに見合った商品と価格設定をしたがるものだ。そして、お客様が買い物をしている横で生産者が棚に商品を置くような光景は常識的には良しとはされない。

しかし、このような自由度の高い仕組みこそがお客様を惹きつけ、かつ生産者を考える生産者に変えることに役立っているのである。

あえて陳列する時間を制限しないのは「お客様と消費者を出会わせる」ためであるという。これまでの農家は農協の言われるがままに農作物を作るだけでお客様を全く見ていなかった。しかし、陳列時にお客様との会話を促すことで今お客様が何を求めているのか?ということを考えるようになったという。以前であれば、自分の農作物が売れないと文句を言っていた生産者も今ではなぜ売れないのか?を考えるようになり、自分たちで改善するようになったそうだ。

また、生産者からすればお客様の顔が見えることが非常に感動的だという。自分が作っているもので人を笑顔にすることが出来ているという実感が生産者をさらに生産者として成長させる源泉になっているのだ。

そして、それはお客様にとっても「生産者との直接の会話」という貴重な体験を提供している。恐らく、同じ商品がスーパーで売っていてもお客様はグリーンファームで買いたいと思うのだ。なぜなら、生産者との会話が価値になっているからだ。

さらに、基本的に「何を売っても良い」というスタンスもバラエティ豊かな商品が陳列されることを促している。地元の天然キノコ、イノシシ、鹿の肉、キノコの原木、ハチノコ、イナゴ、ヤギ、アヒル、中古の農機具などありとあらゆるものが置かれている。結果として、お客様のクチコミを発生させることになった。お客様からは「こんなものもあるのか!」という感動があり、その感動がクチコミにつながっているという。

そして、グリーンファームは宣伝を一切行わない。なぜなら、クチコミさせるためだ。というのも、折り込みチラシなどで宣伝してしまうとクチコミする意味がなくなるからだ。多くの人が知っていることはクチコミにならない。「あ~知ってるよ」と言われたら、あなたはその後も同じことを言うだろうか?少なくとも言いにくくなるはずだ。

グリーンファームのマネジメントはある意味放任主義である。価格も制限せず、陳列する内容も時間も制限しない。しかし、その自由こそが彼ら自身で考え改善していく意欲を生み出し、より良い商品を生み出す源泉になっている。そして、その改善はお客様との直接の会話から生まれるわけで、生産者はお客様の変化を敏感に察知し、変化に合わせて改善することを実現しているのである。

よく言われることだが、現場への権限の委譲は改善のスピードアップを促進する。そして、彼ら自身の考える力を養うことに貢献するのだ。しかし、多くの企業がそれに踏み切れないのは、権限移譲のデメリットの側面が気になってしまうということもあるが、それ以上に企業としてその権限移譲された人を最大限サポートするという意識が欠けていることではないだろうか。

権限移譲によって成功する場合、グリーンファームのように当事者の「やりがい」と結びついたり、様々なことを許す態度がなければならないのではないだろうか。様々な制約の中で権限移譲したところでそれは結局のところ責任者を変えたことと同じであり、意味のある権限移譲ではないと考えられる。

グリーンファームは、生産者の自由度を高く設定するだけでなく、彼らの意欲と努力を徹底的にサポートすることに徹している。彼らの能力を心から信じているからこそできることだ。そして、だからこそスピーディーに顧客の変化に対応することが可能になるのだ。

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