人間は、比較できるものがなければ物事を認識することが出来ないと言います。
例えば、「善」を認識するために「悪」が必要であるように、「善」という意味を理解するために「悪」の意味を理解している必要があります。例えば、「大きい」を理解するためには「小さい」を理解していなければいけません。
もし、世の中に「小さい」という概念がないとすれば、すべてのものは「大きい」であるために、私たちが一般的に理解している「大きい」という概念は存在することが出来ません。つまり、「大きい」は「小さい」があるから存在できる。そして、「小さい」は「大きい」があるから存在できるわけです。
人間が何かを認識する時、多くの場合「何かと比較できるもの」が必要になるのです。
何の話やねん!と思うかもしれませんが、これはマーケティングの話です。
ある商品サービスをお客さんに伝えていく時に、企業は商品サービスの特徴を述べていくと思いますが、その際、その商品サービスの特徴を「お客さんが何と比較するのか?」によって商品サービスを意図した通り正しく認識してくれるかどうかが決まってきます。
あなたの会社の商品サービスを説明したときに、お客さんの頭の中ではどんな比較軸が思い浮かんでいるでしょうか。何と比較するでしょうか?その比較軸は自社にとって都合の良いものでしょうか?そのようなことまで考えてお客さんに伝えていく努力が必要です。
単純に良い部分を訴求していけば、お客さんが都合よく認知してくれるわけではありません。何を言えば、お客さんの頭の中にはどんな比較軸が思い浮かび、自社の商品サービスは、どのように認知されるのか?ということまで考え抜く必要があるのです。