共創マーケティングというのが少し前から話題になっている。共創マーケティングとは企業とその顧客とで共に新商品開発を行ったりすることを指す。企業側には、顧客との深い関係性を築くことによってより顧客の理解度が進むことがメリットとして存在し、顧客側としては、企業へどんな商品が欲しいのかという点について直接的に伝えることが出来るというメリットが存在する。
サッポロビールにおいてはSNS上で十数人の顧客と一緒に新商品ビールを開発したこともある。しかし、その後その共創マーケティングを活かせているのかといえばそうではないとしか言いようがない。サッポロビールにしてもそんなことをやる会社であると結局は顧客にアピールするためのイベントとして実施したような感が否めない。サッポロビールはお客様の声を常に聴いていますよ。もしくは、聞く会社ですよというアピールである。しかし、それは共創マーケティングと謳った詐欺のようなものであり、感心はしない。
共創マーケティングとは企業と顧客が深い絆で結ばれているところからしか発生しないと私は思っている。だから、現代の多くの企業で本物の共創マーケティングを実施出来る企業がないと考えられる。共創マーケティングには、いくつかの段階があるのだと思う。それはやはり顧客との本当の意味でのコミュニケーションが取れるという段階である。この段階を踏まえなければ共創マーケティングなんて絶対に出来ない。顧客とコミュニケーションが取れないのにどうやって一緒に商品開発をするというのだろう。共創マーケティングには条件があるのだ。
まずは顧客とコミュニケーションを取ることだ。しかし、多くの企業はコミュニケーションを取っているというだろう。しかし、それは調査であったりコールセンターでしかない。商品開発の人間が常に毎日のように顧客と接しているのであれば、調査なんてする必要なんてないはずである。企業が顧客と接点を持てないからこそマーケティングリサーチという会社が存在しうるのである。
では、どうやってコミュニケーションを取ればいいのかであるが、その基本は呼吸するように何かを生み出すことをイメージすればいいと考えている。呼吸とは、酸素を体内に取り込みそれをエネルギーとして体を動かしたり、考えたりする。その結果として二酸化炭素を吐き出す。その二酸化炭素を植物が取り込みまた酸素を生み出すというサイクルが呼吸である。結局は企業が顧客とそのような関係を築くことが出来るかどうかである。顧客が生み出している何かを取り込みそれを企業はエネルギーにする。そして、その結果出てくるものは顧客が必要とするものであり、その結果また企業に対して何かを提供する。
それはお金とモノの関係ではない。決して、お金を顧客が支払い、企業はモノを提供するという意味ではない。それ以外の部分で企業と顧客がコミュニケーションを取る領域が存在するという事であり、それを探さなければならないという事である。