マーケティング関連の記事を書いていますが、基本思いつきのメモです。なので、記事を信じないでください(笑)

クラスター分析でマーケティングのヒントを見つける

データドリブンなマーケティングをしたいという要望は多い。しかし、膨大なデータを前にして何から始めれば良いのか分からない人がほとんどだ。データを活用しようと言い出してから数年経過してもなお有益な成果を出せずにいる企業が多い。

その原因の一つは、統計分析の知見やスキルをもつ人間が社内にいないことだ。購買データや属性データがいくら豊富にあってもそれらデータから有益な意味を導き出すスキルがなければできることは限られる。膨大なデータを人間が見て傾向を把握することは難しい。集計レベルでは出来ることが限られる。データ分析を外注することは可能でも、社内の人間が理解できないことは実行まで至ることはあまりない。

とはいえ、マーケティング担当者なのであれば、基本的な統計分析の手法については基本的な知識はもっておいた方が良い。実際の分析は社外の協力会社にお願いするにしても、何が出来て何が出来ないのかを知ることは自社データを活用する上で必須である。

今回は、データからセグメントするための分析手法を紹介する。クラスター分析である。アルベルトというデータ分析企業のWebサイトの解説では下記のように説明されている。

クラスター(cluster)とは、英語で「房」「集団」「群れ」のことで、似たものがたくさん集まっている様子を表します。クラスター分析とは、異なる性質のものが混ざり合った集団から、互いに似た性質を持つものを集め、クラスターを作る方法です。対象となるサンプル(人、行)や変数(項目、列)をいくつかのグループに分ける、簡単にいえば「似たもの集めの手法」です。クラスター分析は、あらかじめ分類の基準が決まっておらず、分類のための外的基準や評価が与えられていない「教師無しの分類法」です。

株式会社ALBELT

人間がデータを見て傾向の把握し、仮説を立て、感覚的にセグメントするというようなことではなく、データの傾向を分析によって見つけ出してくれるものだ。例えば、銀行の顧客データが手元にあることを想定してクラスター分析すると下記のような結果を得ることが可能だ。

一つ目の似た性質をもつ集団(クラスター1)は、利益性が低い集団である。この集団には顧客期間が短い人もいれば長い人もいる。
二つ目の似た性質をもつ集団(クラスター2)は、利益性が高い集団である。しかし、この集団は顧客期間が短い人である。
三つ目の似た性質をもつ集団(クラスター3)は、利益性が高い集団である。しかし、この集団は顧客期間が長い人である。

このように顧客データから明確に異なる集団をセグメントすることが出来るわけだ。そして、通常この3つのクラスターごとにさらに分析を行い、名前を付ける。例えば、3つ目のクラスターには、ほとんどが45歳以上が多いことが分かると、「高収益性中高年クラスター」と名前を付けたり、2つ目のクラスターには、若年層が多いことが分かると「高収益性若年クラスター」、1つ目のクラスターには、「低収益クラスター」などである。

もちろん、クラスター分析をするためにデータを加工しなければならなかったり、データが少なければクラスターが出てこなかったり、既に知っているような結果しか出なかったり、解釈が難しかったりと色々と難しい点はある。しかし、これらの分析が可能であることを知っておいて損はしないし、細かい部分まで知っておく必要はない。データ分析者と話が出来る程度までは理解しておくべきだろう。

現実的にはクラスター分析の結果をそのまま採用することはないが、少なくともこのように分析すると新しい気づきを得られる可能性はある。上記の事例で言えば、利益性が高い集団には中高年と若年層がいたが、その中間がないことが気づきになる。つまりは、高収益の中高年層はもしかすると他行から切り替えた人が多いのでは?と考えることも出来る。一体どのタイミングでどのような施策によって獲得したのか?などいろいろと面白うそうな仮説が生まれてくる。

統計分析がなくても仮説は立てることは出来るが、統計分析をすることで初めて気づく仮説もある。いずれにせよ、様々な側面から顧客を見ることはマーケティング担当者として大切なことであることは変わりはない。そのためにも、データという側面から顧客を見るために単純な集計レベルではなく、ぜひ統計分析によって新しい仮説を生み出し検証していってみてはどうだろうか。

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