脳は、左脳と右脳に分かれているが、どちらか一方のみを使って働いていることはない。どちらか一方は必ず必要なものであり、2つで一つなのだ。1つだけでは存在することが出来ないのである。そのため、人間の思考というのはとことん左脳に頼った論理的思考だけでは問題解決することはない。むしろ、論理的思考と右脳の感性的な全体的な思考を組み合わせることで多くの問題を解決することが出来るのである。
個人的な見解ではあるが、人間の歴史からもそれを見て取れるような気がする。ちょっと前は、左脳がもてはやされていた。どんな人でも論理的思考の習得に一生懸命になっていた時代がある。今でもそれは当てはまるのかもしれないが、今はそれよりも新しい価値や新しいコンセプトを見つけることが出来る人であったり、多くの情報から何かを見つけることが出来る右脳的な全体的思考が出来る人間が必要とされていると思う。
しかし、永い間、左脳的思考が優位に立ってきたがために右脳的人間が少ないがために、今の時代、特に日本は低迷しているのではないだろうかとさえ思える。
人間の思考が左脳と右脳を行ったり来たりして思考する特性があると言われるが、近年の状況を見ても分析的なアプローチがもてはやされたと思えば、右脳的な全体的な思考がもてはやされたりしている。私は、この左脳が重視されたり、右脳が重視されたりする現象がまさに人間の脳活動そのもののような気がしてならない。人間の思考は分析か感性かどちらだ?と言っていること自体が人間の脳的な考え方なのだと思うのだ。そして、それを繰り返す中でどちらも必要であり、それをいかにうまく使っていけるかという事に段々と気づき始めているのが現代なのではないだろうか?
何かを解決したいと思うのであれば、左脳的分析と右脳的感性を何度も繰り返すことが大切なのではないだろうか。そこから何かが生まれる。そうやって人間は成長してきたのではないだろうか。イノベーションを生み出してきたのではないだろうか。
今の日本において、イノベーションが生まれないがために経済が低迷していることは明らかである。そして、その原因もあまりに左脳型人間の増殖によるものであるからなのではないだろうか。意識的に右脳と左脳を使い分け何度も行ったり来たりを繰り返す思考を行わなければならない。