マーケティング担当者が分析業務のとき自問自答すべき「4つの問い」

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多くのマーケティング担当者が、データに触れ、実際に分析する立場になる機会が増えてきています。今後も、データで取得できる範囲は増え、ますますデータ分析の重要性が問われる時代になってきます。

しかし、そのような時代にも関わらず、データ分析をエクセルにまとめることや集計することと思っている人が多いことも事実です。クロス集計するにしても、統計解析をするにしても、分析するためにデータを整備するなど、非常に手間がかかるのが分析業務です。そのため、マーケティング担当者からすればマーケティング業務の本筋とは違う分析にそこまで多くのエネルギーをかけたくなくなる気持ちも分からないでもありません。

しかし、上述したようにデータが持つ力が今後拡大する中では、そのようなデータ分析への姿勢では評価されなくなる時代がきっとくるでしょう。今のうちから、データ分析の基本についてマスターしておくことで、きたるデータへの正しい姿勢を身に付けることが出来るはずです。

今回は、データ分析といっても分析を始める前にどのような「心構え」でいるべきかという、誰でも取り組もうと思えば取り組めることについて書いていきたいと思います。分析における「心構え」は、その分析が意味のあるものにするのか、しないのかの大きな違いを生みます。データへの正しい取り組み方、心構えを知ることで、非常に地味で地道な作業を無駄にせず意味のある分析を実践していってください。

今回は「会社を変える分析の力」よりご紹介します。

(1):その数字に責任を取れるのか?

会社は様々な業務を担当する人間の集まりです。そして、それぞれの担当者は何らかの責任を持つことで、企業活動を回すことが可能になります。営業は、お客様を獲得し、維持することに責任がありますし、経理は会社のお金の管理という面において責任があります。では、データ分析者の責任とは何でしょうか?

データ分析者の責任は、「意味のある数字を作ること」です。数字を分析によって導き出しても会社に何の影響も与えないのであれば、その分析は無意味です。分析者が導き出す数字に価値があるのだとすれば、会社の意思決定などに影響を与えるものでなければなりません。もちろん、直接的に影響を与えるものではないにしても、分析担当者が導く数字には会社の意思決定に影響があるという意味において責任があるということです。

しかし、予測を当てなければならないというわけではありません。そんなことは神のみぞ知ることであり、分析者は責任を持つことは出来ません。しかし、その分析がどのように計算され、どのような条件下であればどのくらいの確率があるのかについては分析者はしっかりと正確に分析し、数字に責任を持たなければなりません。

(2):その数字から何が分かったか?

分析者の仕事は基本的に数字を導くことが仕事です。しかし、だからと言って数字を出せばすべて完了か?と言われればそうではありません。分析者は、分析によって得た計算結果を解釈し「会社としての知識」にしなければなりません。つまりは、計算結果だけでは、分析者しか理解できませんが、「〇〇の前提が条件ではありますが、七月~九月の日毎のアイスクリーム販売量を予測するために過去5年間の販売量データと気象データの関係についてモデルを作成して分析したところ、誤差3%程度の予測式を作ることが出来た」であれば、会社の多くの人、特にその「計算結果を必要としている人の知識」になります。そこまで解釈して表現することまでが分析者の仕事です。

データ分析には、多くの条件や前提がつきものです。都合よく解釈しないようキチンと説明し、この結果によって何が分かるのかということと、分かった範囲を明確にしなければなりません。

(3)意思決定にどのように使えるのか?

これは「〇〇が判別できるようになった」とか「予測ができるようになった」ということではありません。何かが分かっても、何かを予測できるようになっても、意思決定に使えないものというのは非常に多くあります。例えば、ある機械の異常値を検知し、故障する前にメンテナンスするモデルを開発したとします。しかし、メンテナンスには最低でも2日かかるにも関わらず、直前にしか予知できないモデルでは何の意味もありません。予測は出来るけど、それでは遅すぎて結局は故障してからメンテナンスするこれまでと全く同じになってしまうからです。

このような事態が発生するのは、分析の前にどんな課題を解決するための分析なのかを明確にしていないからです。明確にせず、いきなり数字をいじり出してしまうためにこのような事態が起きるのです。分析結果は誰がどのように意思決定するために使われるのか?ビジネスでの意思決定シーンを明確に思い浮かべておく必要があるのです。

(4)ビジネスにどれだけ役立ったか?

もしかすると、分析結果を活用するのは他の部署だからどれだけ役立ったかは分からないと分析者は言うかもしれません。会社の役割分担としてそうなっているのだから関係ないと考えてしまうかもしれません。しかし、これまで述べてきたようなことをキチンとやっていればこの質問には具体的な数字をもって答えられるはずです。上記のアイスクリームの例で言えば、特定の前提条件下において意思決定されたのであれば明確に廃棄ロスがどれだけ減少したのかなど簡単に答えられます。

データ分析者と言えども、役割分担があると言えども、「ビジネスに貢献したい」という気概を持って取り組むことは非常に大切なことです。

有益なデータ分析になるかどうかは、データ分析の計画に大きく影響されるのです。

参考文献: 「会社を変える分析の力」