マーケティング担当者が知っておくべき「分析プロセス設計の基本」

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マーケティング担当者によるが、分析作業が日常的な業務になっている人は多いのではないだろうか。しかし、分析作業を正しく効率よくかつ効果的に実施するためにどうすれば良いのかについて真剣に考えている人はどれくらいいるだろうか?結局は、何となく数字をいじり始めてしまう人も多いのではないだろうか。また、分析作業と言いながら単純に集計作業である場合もあるかもしれない。

今回は、そんな分析作業についての進め方・考え方についてまとめておきたいと思う。分析作業を正しく理解・設計することで、無駄なくかつ効果的に作業を進めることが出来るようになるはずだ。

分析作業は、分析プロセスを設計するところから始まる。マーケティングの分析に関わらず、家を建てるにしても何をするにしても十分な結果を得るためには、設計と計画がとても重要である。やりたいところから始めても、満足できる家は出来ないし、やりたい分析だけをしていても、知りたい結果を得ることは出来ない。必ず目的を達成するためにどう分析を進めるべきかを設定するところから始めなければならない。

分析作業の設計を行うに当たっては、考慮すべきポイントが3つある。一つ目は、分析するに当たっての「制約条件」、二つ目は、具体的にどんな作業を行うのかという「作業計画」、三つ目は、それら分析作業の結果どのような成果が得られるのかという「アウトプットイメージ」である。

ここで言う「制約条件」とは、「時間」「手間」「費用」「目的」「期限」などのことである。なぜ、これら要素を考慮しなければならないのかと言えば、満足できる分析結果を得るためには、与えられた時間によってやるべきことが変化するからだし、どの分析にどのくらいの手間暇をかけるべきかが変わってくるからだ。さらに、時間的に厳しいのであれば、外部業者に委託する必要があるかもしれないが、その委託するための費用はどこまで可能なのかによってもやり方や進め方は変わってくることは理解できるだろう。このような制約条件を把握、考慮せずに分析プロセスの設計をすることは出来ない。

次に、「作業計画」では、上記の制約条件を考慮した上で、「①収集すべき情報と収集の方法」「②情報の分析/処理の方法」「③各作業に対する担当者と所要時間及び投入費用」を決定するステップとなる。このステップこそが、家を建てる場合の設計図となり、分析作業の効率と分析成果の価値を決定づけることになるものだ。このステップでは、必ず分析目的を達成するために、どんな情報が必要なのかを整理するところから始めるべきだ。もし、いきなりどう分析しようかと考えているのであれば、それは分析目的がない、もしくは明確ではない可能性が高い。しかし、分析目的が明確なのであれば、どの情報をどう分析することでどんな結果が得られるのかというプロセスも明確になるはずだ。分析の見通しが不明確なまま進めてしまうことは、非常に非効率であり、時間をかけた割に、何の成果も得られなかったという事態に陥りかねない。

そして最後に、「アウトプットイメージ」である。課せられた制約条件と計画した作業によって、どのような分析成果までたどり着けるのかという具体的なイメージのことである。例えば、新規事業の可能性を探る目的で行う分析の場合であれば、アクションプランまでそろえた事業計画書まで提出するのか、事業の魅力度を評価しただけの報告書として提出するのかという具体的なイメージを持つことである。このような具体的なアウトプットイメージもなしに分析作業を進めることで、多くの無駄が発生することは簡単に理解することが出来るだろう。

本来であれば、パワーポイントで報告するのであれば、あらかじめ各シートでどんな数値を掲載し何を言うのかという資料を簡単に作成し、その完成形から逆算してどのような分析をすべきかを洗い出すべきである。

ここまで読んだ人であればお分かりになるだろうが、結局のところ分析目的が意味のある判断につながっているかどうかが重要である。つまり、その分析目的を達成することで意味のある判断につながることが想定されていないのであれば、その分析作業はもしかすると無駄に終わるかもしれないということだ。多くのリソースを使って分析作業をするにも関わらず、無駄になるかもしれない作業をしてしまうのはあまりにも馬鹿げている。今、何を知らなければならないのか?何を知ることでどんな価値をもたらすことが出来るのか?というところが明確になっていなければ、意味のある分析にはならないのである。

参考文献:思考・論理・分析