あなたの会社の顧客セグメントはおそらく次の4つのデータのいずれかを軸として用いて区分しているはずです。
(1)属性データ(年代、性別、住所など)
(2)意向データ(アンケート回答の内容など)
(3)行動データ(購入履歴、購入頻度、サイトアクセス履歴など)
(4)上記3の情報を統計分析したデータ(主成分分析、クラスター分析など)
一般的には(1)(2)(3)のデータを用いて顧客セグメントをする企業が多いと思います。しかし中には、社内に統計分析専門の社員がいるような一部の企業においては(4)の統計分析をしたデータをもとに顧客セグメントを作成している企業もあると思います。
また、当然ですが(4)の統計分析したデータによって顧客セグメントした方が高度であり有益な顧客セグメントが出来る可能性が高くなります。なぜなら、(1)(2)(3)のようなデータで顧客セグメントしても各セグメント内の人たちが同じような行動するわけではないからです。
分かりやすく言えば、昔なら「年代」のデータによってセグメントすれば大体同じような思考と行動をする人を抽出することが出来たのですが、現在では「年代」でセグメントしたところで同じような思考と行動をする人を抽出することは出来ないということです。「年代」でセグメントしてもその中には様々な思考を持った人が存在し様々な行動をする人たちが含まれ「年代」でセグメントしても有益な施策に結び付けられなくなったからです。
もちろん、だからと言って統計分析をしたデータをもとに顧客セグメントをしなければいけないというわけではありません。企業によって必要とされるデータと顧客セグメントは異なりますので必ずしも統計分析をしたデータをもとに顧客セグメントしなければならないというわけではありません。しかし、統計分析によってセグメントした方が属性データをもとにした顧客セグメントよりも良いものになる可能性が高いということです。
とはいえ、そう簡単に統計分析できる人を雇えるかと言えばそうではありません。また、統計分析が出来る人たちに依頼することもすぐには出来ないのが現実でしょう。しかし、「AI」によって統計分析の社員や会社にお願いすることなく高度な顧客セグメントを見つけ出すことが可能になるかもしれないのです。「AI」を使って御社にとって有益な顧客セグメントを見つけ出すことが出来るようになれば、これまではほんの一部の企業でしか出来なかった(4)の統計分析をしたデータをもとにした顧客セグメントが可能になるかもしれないのです。
「AI」は大量のデータの中から一定のパターンや特徴を見つけ出すことが出来ます。つまり、御社の『成約まで至る顧客』のパターンや特徴を見つけ出すことが可能なのです。それは、成約まで至る可能性が高い顧客と低い顧客を見分けることが出来るということですので、(4)の統計分析をしたデータをもとにした顧客セグメントを「AI」が見つけ出すことも可能なのです。
AIは、これまで統計分析をしたデータをもとに顧客セグメントしてきた企業にとってもメリットは大きいと考えられます。これまでは統計の専門家とマーケターがタッグを組んで実施してきた顧客セグメントづくりが一気に楽になり、そして短縮化しさらに有益になる可能性があるからです。これまでは統計分析といっても仮説を作り、それを検証するために統計分析を実施してきましたが、そのような業務をすることなくデータを「AI」に読み込ませるだけであとはAIがパターンと特徴を抽出してくれるからです。もしかすると、人による仮説→検証という作業よりも良い顧客セグメントを見つけ出してくれる可能性があるのです。
AIは、多くの企業の顧客セグメントの質を上げる可能性が十分にあると考えられます。また、これまで有益な顧客セグメントを作り出せなかった企業がAIによって有益な顧客セグメントを手にすることが出来るようになります。そのため、AIはマーケティングにとっても非常に注目すべきテクノロジーです。
マーケターにとってこれまで自分たちの頭で考えていたことがAIによって置き換わるということですから無視はできません。AIをどう使うべきなのか?どこまで出来るのか?について十分に認知しておく必要があります。